ステージおきたま

　最近小まめに掃除するようになった。っても、3日に一度くらいのもんだけどな。それでも、2,3週間も掃除しない部屋で暮らして平気だった頃に比べるとずいぶんの変わりようだぜ。

　理由は二つ、一つは夏場になって、裸足で歩き回るようになったこと。足裏センサー、意外と敏感でねぇ、床面のざらつきすぐに検知するんだよ。ほら、四方八方開けっ放しで暮らしてるから、砂ぼこりも豪勢に舞い込むんだ。ネコめも平気で泥足で出入りするしね。で、そのザラザラが気になって仕方がない。じゃ、掃除するか、ってわけだ。

　も一つの理由は、掃除機を買い替えたこと。前回買った某国内メーカーのもの、結構高価なのに、まるでダメ！まず、吸引力が弱い。しかも、しばらく使ってたら、センサーが過敏症になって、勝手に止まりやがるのさ。それも滅多やたら！これじゃ、掃除が嫌いになったって俺の所為じゃない。

　と言っても、掃除を放棄する、あるいは箒でする、ってわけにもいかず、ほんじゃ、買うか、新しいの。でも、安い奴な。アマゾンで探して、ほぼ最安値かつ吸引力高評価のものを見つけた。見かけは安っぽいが、吸引力抜群！だってよ、コメント。Vaclifeってどこのメーカーだ？ネットで調べるも原産国さえわからない。まっ、☆も4.5以上、評価者数も300超えてるからそうひどいものじゃないだろ、で購入。

　確かに、ちゃちだわ。ホースなんて洗濯機の排水管みたいだし、先端の吸い込みハーツもふらふら動いていつ壊れてもおかしくない、って感じだ。見た目はメタリック塗装できれいだが、静電気抑制機能なしなので、埃を吸い寄せてる。おいおい、本体外部が埃集めとどうすんだよ！手元にスイッチはなし、電源コードの巻き戻しもやたら激しくぎこちない。と、悪口散々言ったが、吸引力はたしかに桁違いだ。床板の隙間に溜まった年来のゴミも見事吸い上げてくれた。これで掃除が好きにならぬわけがない。

　と、まあ、掃除機なんて、吸引力がすべてだぜ、って喜んでいるわけなんだが、神さんの方はまったく気に入っていない。吸引力大なんて、以前の掃除機を強で使うのと同じじゃない、それに電気も食うし。といたって低評価、侮蔑の眼差しまで注いで来る。いや前のよりずっと吸引してるがなぁ、なんてことは口に出さない。どうせ、倍返しで反論されるに決まってる。電力消費が大きいったって、使用時間なんてたかが知れてる、1200Wだって問題ないさ、着けっ放しのストーブと違うんだから、なんてことも言わない。神さんには見かけの安っぽさがそのまま製品能力としてインプットされちまってるんだ。おっと、中国製ってこともかな。もう、メイドインジャパン信奉の時代じゃないんだけどな。要するに思い込み。

　思い込んだが吉日？あばたもえくぼ！信じる者は救われる！強いんだぜ、思い込みって奴は。

　だが、こっちにゃ、実感がある。たしかな感覚がある。掃除が好きになったてのが何よりの証拠だぜ。よく吸い取ってくれるから、掃除機も動かそうって気になる。足裏のざらつきなくなるから、満足できる。現実を見なけりゃね、自分の感覚を大切にしなくっちゃね。

　と、書いてみだが、もしかして、こっちの感覚ってやつも、自分で買ったんだもの、って思い込み、だったりして。