米債務問題、オバマ大統領が与野党幹部と相次ぎ協議
【ワシントン=御調昌邦】オバマ大統領は30日午後、与党・民主党のリード上院院内総務とペロシ下院院内総務と会談し、米債務上限引き上げ問題について協議した。野党・共和党のマコネル上院院内総務は同日、オバマ大統領やバイデン副大統領と電話で話したことを明らかにした。米債務不履行回避に向け、上院を中心に水面下でぎりぎりの調整が続いているもようだ。
法律で定められた債務上限の引き上げ期限は8月2日とされており、これまでに上限引き上げの法律を成立させないと、米国が債務不履行(デフォルト)に陥る恐れがある。下院が前日可決した共和党の案は、その直後に上院が同案を否決。現在は上院で民主党が共和党の協力を取り付けられるかが最大の焦点となっている。ただ最終的には上下両院で同じ案を通す必要があり、依然として緊張した状況が続いている。
民主党のリード氏は、債務上限を一括して2兆ドル超引き上げる案を提案済み。上院(定数100)では、議事妨害を阻止するには60票が必要で、法案を通すには共和党議員の協力が不可欠。共和党のマコネル氏は30日、同党の43人の上院議員が民主党のリード案に反対する意向を表明したと明らかにした。
ホワイトハウスと上院民主党執行部は、共和党のマコネル氏が検討していた内容を盛り込み、条件付きで段階的に債務上限を引き上げる案で調整を図っているもようだ。仮に上院で妥協ができた場合には、2日の期限ぎりぎりに同案を下院に送り、下院の共和党議員に自らデフォルトの引き金を引くのか迫るという手法を検討しているとの見方が出ている。