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原発事故は人災~佐藤前福島県知事インタビュー

道州制は「とんでもない話」

 01年に中部電力の浜岡原発で配管の事故があった。02年に保安院から各電力会社に点検の指示があった。それは「運転計画を勘案して点検計画を作れ」というものだった。浜岡原発で事故があったのだから、まずチェックしろというべきではないか。安全よりも原発を推進している資源エネルギー庁のような指示だ。

 ―原発事故で原発から半径20キロ圏内は避難指示が出ている。

 知事在任中に「うつくしま ふくしま」というスローガンを掲げ、県作りに全力を尽くしてきた。あのうつくしい福島はどこにいってしまったのか。住み慣れた故郷から避難させられている人のことを考えると、かける言葉もない。「故郷の町に帰りましょう。再びいいまちづくりしましょう」、としか言えない。それが精一杯。

 ―「東北州」という道州制を導入し、東日本大震災からの復興を目指す動きがあるが。

 とんでもない話だ。いま我々が考えなければいけないのは、原発事故のため住んでいた故郷から避難をさせられ、いまだに帰ることができない大熊町などの住民のこれからをどうするかということだ。故郷に帰りたいという思いを抱く人のことを考えれば、道州制の話が出てくること自体があり得ない話だ。

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