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みんなの党・渡辺喜美代表インタビュー
 政界インタビュー

誠心誠意、早期解散も大連立も大歓迎

インタビューに答えるみんなの党・渡辺喜美代表(東京・永田町の衆院議員会館)2010年12月14日【時事通信社】

 みんなの党の渡辺喜美代表は2010年12月14日、時事通信のインタビューに応じ、菅政権や2011年の政局見通しなどについて見解を明らかにした。インタビュー要旨は次の通り。

 -菅政権の半年をどう見るか。

 「仮免許」を取っていると思ったら大間違い。無免許運転だから運転が下手で、尖閣諸島沖で(中国漁船に)ぶつけられたり、(メドベージェフ・ロシア大統領に)北方領土に乗り込まれたりして、ボコボコにされた。それを見て、国民が「この人にはお任せできないな」と思った半年だった。

 菅首相の成功体験は唯一「脱小沢」。これまで2回成功して、「3匹目のドジョウ」を探している。でもこの3匹目は相当ぬるぬるしてつかみにくい。小沢一郎民主党元代表の国会招致問題でも、菅首相は「洞が峠」を決め込んで、長く岡田克也幹事長任せを続けた。無責任体質をよく表していた。

 結局、菅直人という人間は、首相になりたいということだけで政治家をやってきた、首相になって何をやるのかという信念がまるで見えなかった。それが分かったこの半年だった。

 -2011年の政局、菅政権や政界再編の行方をどう見ているか。

 閉塞感が高まっているのは事実だ。菅首相に内閣総辞職という選択肢はあり得ない。1日でも長く首相にしがみつこうという道を取るだろう。しがみつくことができないぐらいに追い込まれる場合、衆院解散という選択肢がある。これはわれわれにとってもウエルカムで、国益を考えれば、できるだけ早く衆院は解散すべきだ。通常国会の冒頭解散はベスト。

 首相が解散権を行使することすらできなくなることも考えられる。民主党が分裂して、衆参とも不安定な政治状況に置かれ、小沢一派のいなくなった民主党が連立相手として模索するのは自民党だ。自民党にも解散したくない人がいる。大義なき「大連立」は野合と言われるので、何か理屈を見つけようとする。あり得るとすれば、消費税の増税しかない。この場合、増税翼賛体制ができあがる。

 これが成立すると、みんなの党は「第3極」から「第2極」に格上げされる。みんなの党は、小さな政府で地域が主役、民間主導の成長路線。大きな政府で官僚主導の増税路線という大連立とは全く別の対立軸が明らかになり、このケースもわれわれはウエルカムだ。

 日本の政治に求められていることが、政権交代だけでは変わらなかった。政界再編が必要だ。それも今までのように、小沢一郎(民主党元代表)が好きか嫌いかという、人間関係だけでやってはいけない。アジェンダ(政策課題)の下に政界再編をやり直すことが求められる。明確なアジェンダを持って、覚悟の集団をつくっているのがみんなの党だ。こういうカオス状態になると、みんなの党が輝きを増してくるだろう。

 -統一地方選の目標は。

 「民主対自民」という対立軸しかない地域がやたら多い。そこにみんなの党という受け皿を用意することが必要になる。できるだけいい人材をたくさん擁立して、草の根のネットワークづくりをやっていきたい。それを次の衆院選に生かしていきたい。衆院選は100人以上の候補者擁立を図る。統一地方選は都道府県議の空白地域がないようにしていきたいと思っている。みんなの党は国会の中でつくった政党ではなく、草の根の国民運動を各地で行って、その結果としてできた党だ。だからお金も組織も支援団体もないのに、たくさんの候補者を擁立できる。国民運動に参加してきた人たちが自ら手を挙げて候補者になってくれる。だから統一地方選は楽しみだ。

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