インタビューに答える民主党の川内博史衆院科学技術特別委員長(東京・永田町)【時事通信社】
民主党の川内博史衆院科学技術特別委員長は5月19日までに時事通信のインタビューに応じた。川内氏は菅直人首相の東日本大震災や福島第1原発事故の対応を厳しく批判。首相には「マネジメント能力がない」などとして退陣を要求した。発言要旨は次の通り。
-首相の大震災、原発対応のどこが問題か。
菅さんの政治は要するにパフォーマンス政治だ。格好だけ。被災者や国民に語るべきビジョンを何ら持ってない。支持率を上げようとパフォーマンスに終始している。また、財源がないという「神話」に踊らされて、大震災を理由に増税を図ろうとし、自民党には大連立を働き掛けた。その手法を姑息だと国民は見ている。
福島県内の学校における放射線量の暫定基準値について、政府は年間被ばく量20ミリシーベルトまで大丈夫だと発表した。通常、われわれが生活しているのは年間1ミリシーベルトだ。一方、年間20ミリシーベルトに達する恐れのある地域は「計画的避難区域」とした。子どもは20ミリシーベルトまで校庭で遊んでも大丈夫だと言いながら、もう一方は20ミリシーベルトになるから避難しなさいと言う。もう、ばらばらだ。首相にはマネジメント能力がない。だから早く代わってくださいと言っている。
-首相が大震災翌日に被災地や福島第1原発を視察した初動対応については。
視察することで自分をアピールしようとしたのだろう。福島第1原発が重大な事態となり、早急な対応が求められていたとき、やるべきことは分かっていた。全電源が喪失し、冷却システムが動かないとき、首相がやることは現場に行くことではない。(格納容器の蒸気を外部に放出する)「ベント」を指示し、市町村にはベントでどのくらいの量の放射性物質が出るかなどをきちんと周知し、防護対策を取らせるべきだった。
3月15、16日に最も大量の放射性物質が出ている。広島型原爆でいうと20個分の放射性物質。15日には2号機が(格納容器の)高濃度の放射性物資を外部に放出する「ドライベント」を行っている。そういう時になぜきちんと関係自治体と情報を共有し、ベントの前に住民を避難させないのか、理解に苦しむ。(続く)
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