twblnovel 9・10・11月 2014秋季

「twblnovel」タグに書いた短文。+α。
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ハウリル @how_howlite

向日葵の花束を抱えた少年が、私に話し掛けて来た。「ヒマカ?」日本語が片言だ。やや褐色気味の肌は、そういうことなのだろう。「ああ、暇してるな」「ハナ、カウカ?」花…。向日葵のことではない。向日葵は、多産の象徴だ。それを持った少年。つまり、そういうことなのだ。 #twblnovel

2014-09-02 00:57:25
ハウリル @how_howlite

花はいつか枯れて種を残す。私は彼の中に種を残す。少年には慣れた行為なのだろう。素早く身なりを整えると、手を差し出して催促してきた。その手に、一万円を二枚握らせる。「そのお金でどうするのさ?」「ハナ、カウ。イモウト、ハナ、ミセル」花は、やがて枯れる。 #twblnovel

2014-09-02 01:05:16
ハウリル @how_howlite

部屋の中に呼び鈴の音が転がる。残念ながら、誰もいません。ケータイにメールが届いて、電話が掛かる。残念ながら、電話には出られません。「いるんだろ?開けてくれよ!」慌ただしく扉を叩かれても、扉は開きません。僕の心は此処に有らず。君の浮気相手を呪いに行ってます。 #twblnovel

2014-09-17 01:06:10
ハウリル @how_howlite

運動会の父兄参加競技に、一緒に出て欲しいと頼まれた。どうやら、晴彦君たっての希望らしい。「で、でも、親子競技なのに、僕なんかが…」「君だから頼むんだ。いつも晴彦を本当の子供のように面倒を見てくれるし」 「そ、それは…」僕は口籠もる。 #twblnovel  続

2014-09-26 01:28:16
ハウリル @how_howlite

続 しかし太陽さんは、追い打ちの言葉を放った。「私も、君を本当の妻のように思ってる、って言ったら、どうする?」真剣な顔をした太陽さんに、僕は顔を赤く染める。「晴彦と一緒に、競技に出てやってくれ。家族として。頼む」「は、い…」僕は、そう答えるしか無かった。 #twblnovel

2014-09-26 01:30:40
ハウリル @how_howlite

「異常かな?」「異常だね」「異常なの?」「異常だよ」クスクス。「異常なんだ」「異常なんだね」双子だけど。「僕も異常で」「僕も異常だ」「僕ら、異常だって」裸で。「でも、異常と異常を掛け合わせたら?」「正常だね」「正常だ」「僕ら、本当は正常だね」ベッドの上で。 #twblnovel

2014-10-09 20:44:48
ハウリル @how_howlite

「裕也さんは口調と比べて優しい人なのだよ」「何!?」「ふふん」「清志さんはお汁粉やココアを奢ってくれるのだよ」「クソッ!」「どうよ?」「裕也さんはキスが上手いのだよ」「何だと!?」「清志さんは……激しい、のだよ」「ちょ、テメェ!」 #W宮緑 「どちらの宮地さんもチョロいのだよ」

2014-10-24 19:49:03
ハウリル @how_howlite

「緑間-。3Pしようぜー、3Pー」「3P好きだろ、緑間-」「スリーポイント、なのだよ」「いーじゃねーかよー。兄貴と3Pしよーぜー?」「ほらー。裕也もこう言ってることだし、3Pするぞー?」「スリーポイント、なのだよ!」 #W宮緑

2014-10-24 19:54:13
ハウリル @how_howlite

彼が国に帰ってしまった。「マタ、会イニ来マス」拙い日本語で三週間のホームステイを締めくくった彼は、僕の恋人になった人だ。彼が帰って最初の夜。久しぶりの一人寝の夜は、肌寒さを感じて眠れなかった。布団の薄さを気にしない程に、彼の体温は温かかったのだなぁ。 #twblnovel

2014-10-29 01:05:27
ハウリル @how_howlite

ここ最近、枕を抱えて夜を過ごしている。待てど暮らせど帰らぬ人肌を、代わりの物で満たす為に。抱き締める腕の力は、日毎に強まっていく。この枕と同じようにあなたを抱き締めて、息が出来ない程苦しめてやりたい。僕がそれだけ苦しんでいたと、あなたに思い知らせる為に。 #twblnovel

2014-11-10 02:03:06
ハウリル @how_howlite

ジェネレーションギャップの存在を理解しながら、“子供”には解らない話をする。からかっているのと同時に、君と私とでは年齢が離れ過ぎている事を見せ付けるのだ。私は、狡い大人だからね。ブレーキランプの意味も、数列の意味もわかったら、少しだけ本気になってあげよう。 #twblnovel

2014-11-11 02:29:48