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色々ぶちこむ倉庫。R18やら小ネタやら何でもあり




R18 虹龍様と先導者と守護者



上二つは表に出せないR18G。

虹龍と宝玉の先導者とかいうマイナーなあれやこれの走り書き。小説にすらなってない。

いろいろとあれなのでンクッションです。
大人の方のみの閲覧でおねがいします。


虹龍×先導者

虹龍×先導者と時々守護者

先導者と守護者

おまけ



追記





ヨハンと使徒



「おはよう、十代!」
「おう、ヨハン。今日は遅かったな。また迷ったのか?」
「ああ! そんなことより十代聞いてくれよ! 今日は兄貴が俺の作った朝飯を全部綺麗に食べてくれたんだ! 朝は弱いから残したりすることが多い兄貴が!!」
「……それで浮かれて迷ったんだな」
「へへっ、まぁな!」
「ヨハン、顔にやけすぎだぜ」

 にやけるに決まっている。大好きな兄貴に俺の料理を認められたんだから。朝から何て幸せなんだろう! と思っていたらいつの間にか俺は見慣れぬ場所を歩いていたのだ。そして遅刻。
 それでも俺は幸せだった。今世界で一番幸せなのは俺なんだと思う。今日はどんな失敗をしてもずっと幸せな気持ちでいられる。
 そう思っていたから、俺は先生に呼び出しの内容に驚いた。

 遅刻が、多すぎるそうだ。確かに最近浮かれて遅刻することが増えてきた。でも、まさか、そんなに多いなんて……

 幸せな気持ちは一気に崩れた。もし遅刻が多くて兄貴と同じ大学に行けない、なんてことになったら耐えられない。しにたい。しかも理由が学力じゃなくて遅刻で、だなんてあまりにも情けなくて兄貴にも呆れられてしまうに違いない。そんなの、そんなの、……イヤだ。
 ぐすぐすと鼻を鳴らしながら帰り道を歩く。兄貴に嫌われたら、俺の人生は絶望的だ。ずっと兄貴と一緒にいたくて頑張ってきたつもりだけれど、足りなかった。そんなことにも気付かずに浮かれて、俺は何て馬鹿なんだろう。

 家の前に着いて俺は鞄からポケットティッシュを取り出すと鼻をかんだ。そしてぼろぼろこぼれていた涙を止めてゴシゴシと拭う。
小さなミラーを取り出して、思いきり口角を上げた。好きな人に、情けない俺は見せられないから。

「ただいまー!」

 出来るだけ明るい声で家に入ると、ちょうどトイレから兄貴が出たところらしく目が合った。

「……お帰り。お前、泣いたの? 酷い顔してるから顔洗いなよ」

 思わず息を止めた。何か言おうと思うのに言葉が出ない。

「十代がヨハンは担任に呼ばれてるって言ってたけど…担任に何か言われた?」

 兄貴が、俺の涙に気付いた。
 兄貴が、俺の心配をしてくれている。

 心配をさせたくなくて、申し訳なく思うのに少し……いや、すごく嬉しく思ってしまう。
 好きな人を困らせているのに俺ってスゲー嫌なやつだ、と思いながら兄貴に精一杯笑いながら言った。

「兄貴、大好きだぜ!」


俺ってやっぱり世界で一番幸せだ!!!



追記





ヨハンと使徒



 僕が噛んでボロボロにした指の爪を見て、ヨハンがマニキュアを塗る。丁寧に磨かれ、透明のコートをし、僕の爪はマゼンタに染められた。
 何色が良いか聞かれたから十代が好きな色の赤、と答えたら血を連想するからと却下されたのだ。答えは見えているのにわざわざ言わせるところがムカつく。そして僕のイメージカラーだと言って紫を提案し、僕がそれを拒否する前に僕の好きな赤と混ぜて赤紫色にしようと言う。
 相変わらず僕の片割れは人の話を聞かない。

 べらべらと喋るヨハンの話を聞き流しながらぼんやり爪が染まる様子を見る。ピカピカになっていくそこに吐き気がした。この吐き気はマニキュアの香りのせいなんかじゃない。けどそれに気付かずヨハンはテキパキと僕の爪を染め上げ満足そうに笑って言った。

「これでもう、噛んだり出来ないだろ?」
「……馬鹿みたい」

 ヨハンは笑顔で応えてくる。



 その晩、湯槽に浸かりながら再び爪を見た。やっぱり吐き気がした。
 ……あいつは、ヨハンは、綺麗なものが好きだ。宝玉といい、虹の龍といい。そして汚いのも嫌いじゃないと言う。……掃除のし甲斐があるから、と。
 今の僕も、掃除されているのだと思う。
 僕の汚い爪は認められず、こうして隠すようにマニキュアを塗られている。ヨハンの好きな、綺麗なものになるように……少しずつ、少しずつ……僕が変えられていく。
 それの、何て恐ろしいことか、!

 僕は綺麗になることを笑顔で強要される。それを周りの人間が微笑ましそうに見る。

 掃除された僕が翡翠色の瞳になることは可能だろう。でも、それはきっと許されることではない。行き場の無い瞳は白く濁って終わる。 

「橙色の瞳って、悪なのか」

 綺麗に塗られたマニキュアはパリパリと剥がれ落ちて湯槽に浮かんだ。










ヨハンと使徒



「本気で言ってるのかい? 皆を幸せにしたいだなんて」
「ああ! 皆が幸せだとこっちも嬉しくなるだろー?」
「皆が幸せなら……自分が不幸でもいいんだ?」
「えっ?」
「だってそういうことでしょう。皆が君を下に見て、いじめて、愉快そうに笑ってたら君は幸せなんだね」
「……そ、れは…」
「上履きを隠されるのも幸せで、虫を弁当に入れられるのも幸せ。…君の幸せって、そういうものなんだね」
「ちが、う……」
「何が違うって言うんだ。言ってごらんよ」
「俺は……ただ…っ…」
「ただ?」
「…………」
「ほら言えない。お前はねぇ、なぁんにも分かっちゃいないよ。……世の中はそんなに甘く出来てない。誰かが幸せになれば誰かが不幸になるし、誰かが不幸になれば誰かが幸せになるんだ」
「そんなの……おかしいぜ」
「おかしいのは君の頭だと思うよ。どれだけお花畑なのさ」
「…………」
「思い出してみなよ、十代は皆の尻拭いをしたんだよ。皆はにこにこ楽しそうにしてるけど、十代に危険なことを全部押し付けて自分達は平和だから笑ってられるんだ」
「そんな…っ…押し付けつけてなんか」
「結果的に押し付けたのと変わらないだろ」
「それは……!」
「誰かが楽をすれば、誰かに皺寄せがいく。そんなことも知らないのか?」
「……さっきから、何が言いたいんだよ」
「君が言わせてるんじゃないか」
「は?」
「君の言いたいことを僕が言ってるだけ。……そんな大事なことまで忘れちゃったんだね、ヨハンは」









ヨハンと使徒



※弟ヨハン→兄使徒



 俺から見た兄貴は可愛い人なんだけれど、周りにはかっこよく見えている……らしい。クールでかっこいい、だなんて言ってる女の子を見て、お前は人を表面だけでしか見れないんだなと鼻で笑ってやりたくなる。兄貴は無駄な話をするのが嫌いな人見知りってだけだ。
 でもそれは誰にも教えてやらない。本当の兄貴を知っているのは俺だけで充分なんだから。

「ただいまー。……兄貴、帰ってるなら電気ぐらい…」
 パチン、とリビングの電灯のスイッチを入れるとソファーに横たわる兄貴が見えた。眠っているらしく微かに寝息が聞こえる。
 ソファー近くの床には雑誌が落ちていた。読んでいる途中にそのままここで寝てしまったのだろう。眠る兄貴の胸が、ゆっくりと呼吸に合わせて上下に揺れている。無防備な寝顔を晒している兄貴は赤ん坊みたいに愛くるしくてたまらなくなる。
 ふにふにと柔らかい頬をつついてもその表情は変わらない。今度は上下する胸に手をのせるとさすがに苦しそうに眉を寄せた。が、起きる気配はない。熟睡してるだなんて珍しい。せっかくだし、兄貴の心臓の音でも聞かせてもらおうかな〜なんて思いながら今度は胸に頭をのせた。心臓の鼓動音は聞こえなかった。

「え……えっ…!? な、なんで…」

 実はこれは兄貴じゃなくて兄貴の人形だったのか!? だなんて思って慌てて体を揺するとのろのろと瞼が開いた。あっ…、と思った時にはもう遅い。あっという間に眉間の皺が深くなり、寝起きで不機嫌な兄貴は俺を軽く蹴飛ばすと窮屈そうにソファーで丸くなった。

「いてて……起きたのなら自分のベッドで寝ろよー」
「……寒い」
 どうやらどうしてもソファーから動きたくないらしい。仕方なく自分の部屋にあったブランケットを持ってきてかけてやると、もぞもぞ動いた後に再び寝息を立て始めた。




追記





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