見失わないように…
大切なものが壊れる音を聞いた事があるだろうか?


その瞬間の絶望と嘆き

そして心に穴が空く感覚を何度

やりすごそうとした事だろうか

目を閉じ

耳を塞ぎ

感覚を己でマヒさせ何にも動じぬ心にしたてあげたのは

いつからだろうか

消えない“痛み”はココロの傷みだ

歯を食いしばり

涙を、感情を

押し殺して暗闇で一人苦しむ夜もあった

我慢する事に耐え切れず

ただひたすら泣き喚き世が明けた日もあった

今日も

明日も

現実は残酷で

幸せな事や心から本当に楽しいと思える出来事なんて

たぶん指折り数える程しかないのではと自重してしまう

自分を見失うとはなんだろうか?

そもそも己とはいったいなんなのだろうか?

己自身を理解している者というのは本当に自分自身を理解しているのだろうか?

疑問と追求をあげればキリがない。

この世界は生まれた時から謎に満ち溢れているのだから。

ココロ。

生きる事。

人生。

未熟な頭ながらも不思議と大それた事を追求してやまない。

しかしそれもある日突然

全てがどうでもよくなる。

そんなものはどうでもいいんだ、と投げやりになる。

自分を見失うとは

ココロが空になる事の一つである。

大切なもの程壊れやすいモノはない。

物も人も心も絆も

無くした時に

弱くも強い精神を持つべきなのであろう

この生きづらい世界はどこまでいっても終わりがないのだ

例え魂が朽ち果て新しい器から新たに生み出されても

変わらない

なにも

変わらない

変えようと、変わろうと、変わりたいと願う気持ちとは裏腹に

結局

最短たる元の軸は変わりはしないのではなかろうか

今この瞬間さえも。




いつかこの意味の追求をする時が来るのだろうか。

この答えのない意味を――――


[*前へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!