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□テニスの王子様
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[ゼロ-g]
『終わりまでお前といたい』
愛する者から告げられた言葉は
データを重んじる男としては、珍しく曖昧なものであった。
蓮二にとっての終わりは何だろうか。中学卒業までか、気持ちか、それとも…命か。
卒業したら終わり…というのはあり得ない話だ。
手放す気など毛頭無い。
気持ち…他に大事な者が出来てしまったのなら、俺は応援しよう。
元の友人に戻るだけだ。
命は…その時が来るまで分からない。
何も考えていないわけではないが…人生何が起こるか分からないことを、俺達はよく知っている。
頼むから、そんな悲しそうな目を向けないでくれ。
心配せずとも、この気持ちは確かに本物で、絶対的なものなのだから。
絶対などあり得ない等と言われようが、これだけは無理に押し通す。
「…弦一郎」
お前の不安が零となるように
これからも名前を呼び続けてほしい。もちろん、俺もそうするつもりでいる。
「お前が好きだ、弦一郎。終わりまで、お前の隣にいさせてほしい」
「ああ…俺も蓮二が好きだ。終わりまで、共に生きよう」
曖昧な約束など、お前は望まないだろうな。
だが…出来ることなら、まだ終わらないでほしいと思ってしまう。
最後まで、命が尽きるまで、お前のそばに。
end.
→後書き
※柳目線→ゼロ-r