妃柚は酉年生まれなので、今年ちょうど年女になります。コケッコー。
えー。今年に入ってからまた、ちょくちょく本を読んでおりまして。
今回取り上げさせて頂くのは、以前ハリガネロックというコンビで活躍されていた、ユウキロックさんが書かれたエッセイ…いや、うーん。エッセイというか。
とりあえず著書ですね、『芸人迷子』。
こちらを先日読み終わりましたので、ぼちぼちと感想なぞ綴らせていただこうかなと思います。
まず、お笑い芸人というのは特にシビアな世界だと思います。
私たち視聴者は彼らの一挙一動を見てアホみたいに笑ってますけど、その裏ではまさに血で血を洗うような戦いが常にあるわけで。
例えば同じ事務所の養成所からスタートしても、うまいこと花咲いて売れていくのはほんの一握り。そして、さらに長く続けていける人は、数えるほど。
その少人数だけで、業界は回っていく。
『芸人迷子』はそんな世界に飛び込み、もがき続けた著者の姿を描いたノンフィクション…というか。
私は単純にこれを、お笑いを愛する1人の男による情熱の物語、として読みました。
昔から漫才が好きで、いつしかネタを分析するようになって、必然的にお笑い芸人を目指すようになって。
お笑いを心から楽しんで、相方を変えて、縄張り争いのように自らの居場所を守りながらも、漫才を本格的にやり始めて。
大規模な単独ライブで大成功を収めて。
常に先頭を走っていた同期・中川家の背中を必死に追いかけて、後輩・ブラックマヨネーズの漫才に自分の理想卿を見て。
いつしか自分たちの現状に、絶望を覚えて。
そしてついに、解散を選んだ。
まぁざっくり言えばそんな感じですか。
何が正解だったとか、何処で間違えたとか…そんなことはわからない。誰も知りえないことです。
けど、たとえ不器用だったとしても、下手くそだったとしても…確かにそれは彼が漫才師としてひたむきに、がむしゃらに生きてきた証だと思います。
私なんぞが偉そうに言えることじゃありませんが。
著者がハリガネロックの前に組んでいたコンビの、かつての相方であったケンコバさんなど、同業者の方はこれを読んで「苦しかった」と感想を漏らしていたようで。
まぁその言葉通り、ただ単にお笑い好きな普通の一般人である私も、結構読んでてきつかった部分はありました。
でも、まぁ…何といいますか。
いつまでも待ってるだけじゃ、現状に甘えるだけじゃダメだなって。
何でもいい、自分から動いてみようって。
前を向いていこうって。
読み終わってからは不思議と、そんなことを強く思いましたね。
現在は著者もその元相方さんも、芸人を辞めてそれぞれ別の道で活躍されているようです。
生きている限り、出口なんてない。ずっと迷子のまま、自分の進む道を模索し続けないといけない。
そして、今日も人は生きていく。
と。
頑張らなきゃなぁ、私も。