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突然本の紹介「西洋中世ハーブ事典」



本題であるハーブの事典部分に入る前に置かれた、ある本草家が自書のなかで記したという言葉
「その大半は真実であると確信しているが、たとえ真実でなくても、面白いことにかわりはない」
これがこの本をとてもよく表していると思います。

本書は、タイトル通り、西洋の中世における、ハーブの事典、です。今すぐ役立つハーブの事典が欲しい!という方ではなく、ハーブというものが好きで、逸話などが知りたい方におすすめかと。
中世ではハーブにどんな効能があると考えられ、またどんなふうに使われてきたか、を知る本ではないかと思います。

冒頭部に掲載された20P超のカラー図版を眺めているだけでも、結構楽しいこの一冊。事典という言葉にちょっと近づき難さを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、いざ読み始めてみると、語り口が軽妙で、さくさくと読み進められるます。

『はじめに』では、カール大帝とアルクィンの会話から始まりイングランド王リチャード2世の料理長の編纂した中世の料理本や、農業・園芸本、本草本、あるいは詩歌などなどから、ハーブにまつわる話を、読みやすい短さで引っ張ってきていて、摘まみ食いをしている感覚で読み進めていけるかと。

事典部分は、小さなハーブの白黒イラストを頭に置き、中世の本による効能や利用法、そして付記として、逸話や、現代における用いられ方などが、コンパクトにわかりやすく載せられています。

読み物と事典の中間くらいの本、といったところでしょうか。
料理の味など、当時の様子を想像しながら読むのも楽しい一冊です。
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