東日本大震災で住まいを失った人のため県が美里町旧中埣小敷地に建設していた仮設住宅「中埣団地」の説明会が28日、同町健康福祉センター・さるびあ館で開かれた。一部の棟には、足が不自由な人向けにスロープが取り付けられ、ペットを飼える棟もある。主に町内の被災者37世帯138人が早ければ6月2日にも入居する。
 中埣団地に入るのは、町内34世帯のほか、美里町に申し込んだ石巻市と東松島市、女川町の各1世帯。工事は28日に終わり、6月2日までに県から町に引き渡される。日本赤十字社からは家電6品目(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、テレビ、炊飯器、電気ポット)、家具小売大手のニトリからは寝具、イケアからは調理器具などの小物、東北イノアックからはマットレス、NTT東日本からは電話機(希望者)が全世帯に贈られる。
 説明会では部屋割りが行われ、各世帯の代表者が番号付きの抽選棒を引き、その番号順に部屋を決めていった。12棟ある長屋のうち1棟は、玄関の段差(約50a)をスロープで解消。ほかの2棟は、獣医師会などの要望を受けて、室内でペットを飼うことを特別に認めた。
 団地敷地内には集会所もあり、町は、自治会の結成を呼びかけている。4月7日の余震で自宅が半壊した美里町中埣の自営業、大場由利さん(48)は「犬を連れて来れるので助かる。建て替えする予定だけど、大工さんに年内は材料がなくて難しいと言われた。焦らず早めに前の生活を取り戻したい」と話していた。
 中埣団地は2DKと3Kの計52戸。残り15戸と南郷地域の木間塚住宅1戸はまだ空きがあり、美里町は6月1日から2次募集を行う。受け付けは10日まで。問い合わせは健康福祉課へ。電話0229(32)2941。

(大崎タイムス 2011.05.30)