漕ぎ出して初めて見る海原の様子は興味深くも、よく分からないまま、手探りで思った方角へ向かう。そこでは、その時々に吹いて居る風で流されたり、気を取り直してまた、遠くに目標を決めてそこを目指したりする。時々すれ違う船は皆、違う所を目指していて、短い交差の後に遠ざかって行く。