話題:恋人との将来

練乳がたべたい。チューブのを買ってこようかと考える。あまいものをたべたくなる。彼に買ってもらったサクレのレモン氷アイスが冷蔵庫で待っているのがたのしみだった。スーパーで買ったおいしそうだったぶどうも。食べ物のことばかり考える。彼が早く帰ってくるとひとりの時間がなくなり、疲れてしまう。だれかと一緒にいたいと思うのに、ひとりの時間もほしいなんて贅沢なのだろうか。彼の仕事があと2時間くらい遅ければ、そんなこと思わないのに。来月いっぱいで仕事を辞めることにした彼は、有給消化も兼ねて、大半がお休みになっていた。それを考えるのもまた憂鬱である。せめての救いは、あたしの休みである土日や祝日に仕事が多いことであった。四六時中、一緒にいるのかと長年連れ添ってる夫婦みたいに小言をこぼしてしまう。休みの日は、彼が夕飯をつくるのだが、通常は週2回の彼の休み以外をあたしがつくっているので週5回、仕事おわりもつくっている。それが来月だけは反対になるねと彼に伝えれば、たまにはつくってよと言うのだ。俺だって、ゆっくりしたいと付け加えて。そういう自分本位なところにため息をこぼす。ゆっくりってなんだろうか。
ツキが回ってきた、とうれしそうに言う彼に違和感を抱く。地元に住んでるから気軽に仕事おわりに会ったりもできるのだろう。そのことを彼は、なにもわかっていない。その無神経さがどれだけ心を逆撫でるかを。あたしだって、地元が3時間もかからなければ、もっと気軽に会えるのに。そういうところだよとツッコミたくなる。彼には、そういう気持ちを理解するという機能が欠落している。あたし自身もそれに長けていたわけてはないけれど、地元を離れ、一人暮らしをし、同棲して実感した。彼もまた、こういった経験が必要なのであろう。論より証拠、百聞は一見にしかずと言うように。

それでも、一緒にいるという選択をしている間は、となりにいてそんな彼を支えたりしていきたいと思うのもまた本心ではある。