話題:本日の恋心模様

幼なじみが結婚した。そんな喜ばしい報告にうれしさを感じながら、どこかさみしくなった。幼い頃から一緒にいた彼女が長年つきあっていたひとと夫婦になった。変な感じだ。だけど、それが現実で、歳を重ねること。それでも、おめでたいことに変わりなく、末永くしあわせにと祈った。



むかしは、なにも考えず、おそれることなく挑めていたことも今は簡単には足が動かない。歳を重ねるごとに失われてゆくものを感じながらも毎日を生きていくしかないわけで。身近なひとの結婚は、ふしぎな気持ちと今の自分を見つめ直すきっかけを与えた。今のままではいけない、そうわかっていてもなにがいけなくて、なにがいいのかわからない。このひとでいいのか、このひとがいいのか。そんなこともまだわかっていない状態で、あたしは結婚を決断することも生涯を共にするひとを選ぶこともできない。
無邪気にフットワーク軽かった時がたのしかった。こわいものがなくて、簡単に怖じけづくこともなく、世間や社会に圧し殺されることもなかった。社会での生き方や立ち回りを学ぶたびに、あたしのなかから失われてく無邪気さ。おとなになることは、せつないことだ。知識や常識を身につけるたびに、からだは重くなってゆく。生きづらいせかいだ。


彼の考えてることはわからない。未知数な思考回路は、難解な事件のようにミステリー。相手の気持ちが手に取るようにわかるなら争いは起きやしない。あたしたちは、ちがう人間として出会い、結ばれている。なんの約束も契約もしていないけれど、一緒にいる。口約束だけなのに何年も離れたり、くっついたりしながら。尊いことなんだ、付き合うってことはと噛みしめながら、きょうもまた悩む。