目隠しのあと




それはきっと
やわらかかったろう
それはきっと
あたたかかったろう
静かな ひとときの後
めぐり めぐる かごの中
道端で出会った 棘
それより 早く そこへ
行きたかった
止まらぬ血も
したたる水も
包み込んだ 掌
すべてその手
止めて 消して
くれたのだと
信じたが最後
失われた
あの日 とめどなく
溢れかえった
血と水
覆われていた
それ ごと
しずかな 激流
硬く 冷たい 残骸
今はもう
もう