寂しい荒野の果て




周りに理解されないほど
不器用に育ってしまった僕たちは
どこに本当の僕をぶつけたら
適度に素直な、器用な
大人に近づけるの
探すばかりでひとりぼっち
歩くのはもう疲れたよ
どこになら全てさらけ出して
縋っても許されるの

何があっても嫌わない、なんて
そんな、都合のいい回路は
人間じゃないから

大切な誰かに嘘をつかなくても
大切な誰かを傷つけたりしない
くらいの強さで、それだけで
十分なのに
どうしてそれっぽっちの
やさしい心が僕には
用意されないまま
生まれてきてしまったの

どうして作り出せないまま
こんな荒んだ場所にまで
流れ着いてしまったの

寂しい荒野の果て
もがく術も見いだせないまま
こんなところで一人ぼっち
のまま、滅びたくなんか
ないのなら

はやく。
疲れが取れる前に
足を動かせよ

どこかで弱すぎる僕のため、
涙を流したいつかのたいせつな
誰かのため