約束の時間…13時に



待ち合わせた場所に着くと



二人は既に待っていた。



約束の時間より30分も早めに待ってた様だ。



二人ともにこにこして



本当に嬉しそう。



そんな二人の笑顔を思い出すと



胸がキュッとなって



文字がにじむ。



近くの小屋に自転車を止めると



二人は車に乗り込んで



いつもの様に私に何かをプレゼントしてくれる。



今回はしょう太がオラウータンのマスコット




ちゅう太は…

家に置いて出たために私の手元にない
ちゅう太から貰ってたボールペンをくれた。



二人は嬉しそうに私の顔を見る。



『ちゅう太はまだアイススケートしたことなかったよね?

アイススケート行こうか?』



二人が嬉しそうに頷いたので



アイススケートに行くことにした。



スケート場のパーキングに着くと



建物までの道を



二人が私にピッタリとくっついて歩き…



しょう太は私の腕にしがみついて歩いた。



屋内に入ると



二人はアイスシューズを履く。



少しだけ経験者なしょう太が



ちゅう太に履き方を教えていた。



しょう太はちゅう太の手を取り



アイスリンクに出る。



始めてなちゅう太は…おそるおそるしょう太に身を委ねている。



ここで二時間ばかりアイススケートを楽しんだ二人は



前なら喧嘩する様なシチュエーションになっても



せっかくの私との時間を壊さない様に



グッと堪える姿を垣間見た。



私は二人が楽しそうに滑ったり転んだりする姿を見ていて



時々、胸に込み上げる感情と



目と鼻が熱くなる様な症状に襲われた。



二人は時々私に手を振って



私の元に滑って来ると



『お母さん。今日はありがとう。』



何度も繰り返していた。



ありがとうなんかじゃない…



私は当たり前の事をしているだけなんだ。



本当にごめんね。。。



そう思うと目と鼻が熱くなるだけでは堪えきれず



涙が頬を伝った。



スケート場を出ると



二人とも靴がボロボロだったので



靴を買いに行った。



二人ともすぐに気に入ったのを見つけたので



靴を買うことはすぐ解決した。



そして送る時間が来る。



送る前に、友達に返さないといけないものがあったちゅう太を



そのお宅まで連れて行き



二人の家路につく。



『お母さん。またすぐ会えるよね?

今月中に会える?』



二人が聞いてくる。



私は「もちろん。近いとこに居るし

いつでも会えるよ。」



そう言うと二人の背中を押した。



「またね。私の大事な子供たち…」



そう思いながら子供たちと別れた…








帰宅してしばらくすると



彼が仕事から帰って来た。



何となく機嫌が良くなさそう…



私が急に子供たちと会ったからなのか



私の思い込みなのか…ムスッとして見えた。



帰宅して何も言わずトイレに入った彼を見て



そう…感じた。



(まぁいいや。
私は何も悪いことはしてない。
大事な子供たちに会ったことは
いけない事じゃないんだから。。。)



そう思ってシラッとしていると



トイレから出た彼が私を抱き締めると



『どうだった?子供たち…
嬉しそうにしてたか?』



優しく聞いてくれた。



「うん、凄く楽しそうにしてくれたよ。」



そう言った私は



彼の腕のなかで



『私が求める幸せって

こんな今なんだろうか?』



そんな風に…自分の心に問いかけていた。