10102236.その執事、随行

【随行】ずいこう
(名)供として付き従うこと。またはその人。

さあ、今回で終わりなのかな。
思えば超長編だった。

扉絵はソバカスとスマイル。鯨の夢を見る‥

ひとりは寂しい‥

って初めてのスネーク自身の言葉だね。
オスカーでもエミリーでもなく。

汽車に乗る坊ちゃんと執事。物売りにも寛大な坊ちゃん。

この辺の二人の会話が同情だったり上から目線だったり。
貴族と悪魔が庶民を憐れんでいるのか?
シエルは自分と誘拐された子供達を重ねて、立ち直れないなら死んだのがマシと考える。
悪魔はそうそう手に入らない。たまたま召喚できたから僕は生きてこられた。

悪魔に助けられたシエル。
最後のプライドが見え隠れする。全部は見せない。
プライドもプライドでもって押し隠す。

P122の二人は汚いけど綺麗!

そして、たどり着く貧救院。
すべての始まりの地。
汚い欲が詰まった建物の成れの果て。何も残っていない。

これが人間だ!
人間なんだよ、セバスチャン!


そうね、セバスにはない感情。
他人を蹴り落とす必要もないし、言い訳などする必要もない。

面白いという見方をする悪魔。さぞやシエルの足掻きも面白く見えるのだろう。
平行線の主従関係。
どこまで行っても、シエルの心の葛藤はわからない。

所詮、悪魔で執事ですから。



こんな後始末までしないといけないのね。
坊ちゃんが丘を自分の脚で登っているのに驚いた。
乗せてもらった馬車はもういないから、帰りはきっとお姫様抱っこでセバスがひとっとび?駅までのランデブーならいいな。


お前だけは僕を裏切るな。

御意。


頬を切る風の中で呟く主人が、命を射る。
私は嘘はつきません。
どこまでもあなたの執事。
抱きしめた腕に力が入る。
その力強い腕に真実を感じて、シエルは目を閉じる。


なんつってー!
結局ここに行き着くのよ。

色んな愛があるのねー。


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