逢魔時奇譚【34話(24)】
その頃、東街ーーーーーーーーー
「あんのっ…、ポンコツオヤジィイーー!!騙しやがった上、テレポートさせやがってチクショウが!ボケナスヘッポコドアホがぁあ!!」
天樹の能力で安全な東街へ強制テレポートをさせられた聖弥と天音。
「チクショウ!おとぉのアレは自分にばつが悪い時の得意技だった事すっかり忘れていたぜ!」
天音の脳裏では、昔よく天樹と聖愛が夫婦喧嘩(と言っても聖愛が一方的にぶちギレている為、喧嘩というより天樹が叱られているだけなのだが)をしていた時に何度も見た光景が蘇る。
『デコ助てめぇ!皿洗いが下手くそなんだよ!今日という今日は許さねぇぞ!』
『あっ!何だあれ!?』
聖愛から喰らったフライパン叩きによってできたタンコブを2つ頭に付けながら天樹が窓の外を指差せば、聖愛はつられてそちらを見る。
『あァ?何もねぇじゃねーか…、…って!デコ助何処に逃げやがったー!!』
『おとぉならバトルスーツに変身して窓から飛び出して行った〜』
『バトルスーツは夫婦喧嘩に使う為にあるんじゃねぇよ!!あンの野郎!!いっつもこの手を使って逃げやがって!帰って来たら誰だか分からなくなるくらいボッコボコにしてやんよ!!』
昔からお決まりの天樹の手法。

「チィッ!クッソが!おい天音!西街へ戻るぞ!」
「おいっ!」
「ん?」
「あァ?」
背後から1人分の走る音と荒い呼吸そして声が聞こえて2人が振り向くと、顔や肩から血を流した聖愛が血相変えて走ってきたではないか。
「お前ら何で此処に居るんだよ!?デコ助と一緒じゃねぇのか!?」