逢魔時奇譚【23話(8)】
「…ハッ!」
ペラペラと話してしまった聖弥はハッ!とする。その隣では横田がニヤニヤ。だからバツが悪くなった聖弥はギュン!!と加速して飛び、横田を引き離す…が、
「ほ〜〜ん?神堂お前、れいな様の為に危険を顧みず敵の弟子になったってワケねぇ〜〜?」
あっさり追い付き並走してニヤニヤしながら自分の顎を触る横田に、聖弥の中で何かがブチッ!と音をたてて切れた。
「横田てめぇ!!ぶっ殺すぞ!!」
「はいは〜い。できるもんならね〜」
「てんめぇ…!!」
元帥から隊長達への通信(聖弥以外に)。この通信は、外へも洩れている為、通信がきていない聖弥にも聞こえている。
「京都から悪魔の反応が消えたようじゃな。本部からの探知器が、そう伝えておる。皆の者ご苦労じゃった。割込む取り敢えずお前達は神堂を捕縛し、至急ハラエへ帰還せい」
「悪魔ですか?」
「…いや。どうも感じ得た事の無い禍々しさを感じる場所を本部の探知器が感知してな。隊長格のお前達に応援を頼みたいのじゃ」
「80年以上生きておられる元帥でも今までに感じた事の無い?!そりゃまずい!で?探知器が感知する場所は?」
「ハラエ区の海岸沿いにある外国人墓地の廃教会じゃ」
「!!」
ドクン…!!筒抜けの元帥のその言葉に、聖弥の目は見開き、鼓動が大きく鳴った。
「じゃからお前達は今すぐ其処へ、」
ヒュン!隊長勢の合間を右翼で飛び立って行った1人の影があった。だから隊長勢が一斉にそちらを向く。彼らの瞳に映るのは…
「神堂!!」
堕天使の右翼で飛び去って行く聖弥の後ろ姿。バトルシューズの速さなんてものではないもっと高速度で飛び去って行く聖弥を、通信を繋げたままの隊長勢が追い掛け出す。
「どうしたお前達。神堂が何か仕出かしたのか?」
通信越しの元帥にも隊長勢の騒々しさは筒抜け。だから、問いかける。
「ちょいっとね。まっ。やんちゃなお子ちゃまの扱いなら俺達大人な隊長勢は慣れっこですから、元帥はな〜んも心配しないで本部で優雅にお茶でも満喫していて下さいよっ!す〜ぐに神堂を連れて帰りますからっ☆」
しかし隊長達は聖弥を見失ってしまった。