終焉のアリア【E.D.B432】
父「何回呼んでも空が起きないし随分魘されているようだったから楓が心配していたよ」
空「…そっか。いつもありがとな…楓…」
楓「お兄ちゃん見て見てー!ミルフィが日本初コンサートで今日から3日間来日してるんだって!いいなー!私も見に行きたい!でもチケット完売だもんね。何処かで偶然会えたりしないかなぁ?」
楓が釘付けのテレビのニュースには、ベルギーのアイドル歌手ミルフィが来日している旨を伝えている。楓は歌いながら、テレビのミルフィの躍りを真似して高く上げた両腕を右へ左へ振る。
楓「♪アイドルだってぇ〜こっそり〜内緒のデートをしてみたいの〜だって私はぁ〜フツーの女の子だもん〜♪」
父「コラコラ楓。食事中に歌って踊るのはお行儀が悪いからやめなさい」
空「…良いんじゃね。楓のやりたいようにやらせれば」
父「珍しいね空が注意をしないなんて。今日は元気が無いようだけれど大丈夫かな?」
空「別に…。普段通りだし」
父「そうかい?それなら良いのだけれど」

朝食後――――
体育祭の今日。中学校へ登校する為、玄関に着く空。
空「楓だけで体育祭に来るのは危ないからやめろって…。父さんが一緒に行ければ良いけど仕事で無理なんだから…お前はおとなしく家で待ってろ…。小6が1人で来るなんて危ないだろ…。絶対に来るなよ…」
楓「べーっだ!私を子供扱いしないでよねー!?それに私1人じゃありませ〜ん!仲良しの綺羅々ちゃんと一緒に行くから大丈夫だもんね〜!」
空「2人だろうと100人だろうと小学生だけで彷徨くな…お前が思ってるより世の中は物騒なんだよ…とんでもない化物が地球を侵略するかもしれないんだしさ…」
楓「そんな漫画の世界みたいな事が現実に起きるわけ無いでしょーだっ!」
ピンポーン、家のチャイムが鳴る。
楓「朝からお客さん?」
空「俺が出る…」