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逢魔時奇譚【29話(15)】
一方ーーーーー
操られているれいなからの攻撃を防ぐ事しかできない小梅とロン。
「このままでは邑楽隊とまともに戦う事すらできませんヨ!」
「だからってれいちゃんを攻撃できる筈無いじゃない!」
「そ、そうですけド…!」
「目を覚ましてれいちゃん!!」
「ごめんねぇだぁ君〜。うちの隊サイキョーっしょ?だぁ君相手だろうと容赦しないから許してちょりーす☆」
「…ハッ!」
すると背後からロンの恋人姫子が近付いてきた。辺りに光る黄色い光。冷や汗が頬を伝うロンが振り向けば、姫子は白い歯を覗かせてニンマリ笑った。
「ひ、姫子ちゃン…!」
「んフフ☆困り顔のだぁ君もきゃわたん!んじゃあもっと困らせたげる💖」

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逢魔時奇譚【29話(14)】
顔を上げれば、いつもツッケンドンで不機嫌な顔ばかりしている聖弥が顔を真っ赤にして目を反らしていた。
「だから別に疑ってねーし。つ、つーか1回言っといて無しにするとかクソうぜーんだけど」
ーーこんなに余裕の無い聖弥君は初めて見た。…嗚呼、私も今きっと同じ顔をしているんだろうな。ツッケンドンだしぶっきらぼうだし馬鹿だし高飛車だし不良だし。…けどこの人は私を疑った事が無い。いつも信じてくれる。だから私は自分のこの能力に誇りを持てるようになったし好きになれたの。世界中の人間が私の能力を馬鹿にして私を信じてくれなくなったとしても、きっとこの人だけは最後まで信じてくれるって、この能力を誇ってくれるって確信したの。今はまだ恥ずかしくて言えないけど…ドン底だった私を助けてくれてありがとうーー

場面は戻り、現在ーーーーー
「…私の能力は卑怯なんかじゃないわ。聖弥君が敵になった今、万人に否定されようとも…この能力を誇ってくれる邑楽隊長が居るから私は貴方達には絶対に負けられないのよ!!」
先程まで落ち込んでいた美園が元気を取り戻した様子を横目で見ながら、嬉しそうに笑む邑楽だった。

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逢魔時奇譚【29話(13)】
半年後、放課後の学校屋上ーーーーー
「…好き!もし良かったら付き合ってほしいの!」
2人以外誰も居ない屋上。向かい合う聖弥と美園。いつもクールで余裕綽々な美園が顔を真っ赤にして勇気を振り絞って告白。しかし美園はすぐに目を反らすと、自分の髪を指にくるくる巻き付けながら呟く。
「…って。催眠が能力の私が告白したって信じてもらえないわよね。"どうせ好きにさせる催眠をかけてから告ったんだろ"って思われるのがオチだから、本当は告白するつもり無かったんだけど…。…ごめん。やっぱ今のは忘れて」
「……」
ーー…聖弥君は私を信じてくれた。けど、本心はどう思っているかなんて分からないじゃない?私があの時落ち込んでいたから優しい言葉をかけてくれただけかもしれない。人間なんて腹の底では何を考えているのかなんて分かりっこ無いもの。催眠術持ちの私は人を愛しちゃいけないのよ。催眠術をかけていなくたって、どうせ"好きにさせる催眠術をかけたんだろう"って思われてフラレるのがオチなんだから。…なのに告白なんてしちゃってかっこ悪いわ。クールで優秀な三森美園のする事じゃないのに。馬鹿みたい…ーー
美園はしゅん…と下を向く。
「超エリートエクソシストな俺がお前如きの催眠術になんてかかるワケねーだろ」
「…!!」
頭上から聞こえた声に美園の瞳が見開く。

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小説・逢魔時奇譚【32.5話Re;traumerei+】UPしました。下記URLです。
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逢魔時奇譚【29話(12)】
「…!?」
1人だと思った廊下。背後から声がした。初めて聞いたやる気無さそうな男子の声。振り向くと其処には、学ランのズボンに両手を突っ込んで見るからに不良な聖弥が1人で立っていたから、美園は目を丸める。初めて話したし、クラスメイトでも無い聖弥から話し掛けられキョトンとしている美園。
「お前確か同期だよな。イーじゃんその能力。悪魔ぶっ倒す時楽勝だろ。エクソシストにもなれねぇポンコツ一般人になんて好き勝手言わせておけばイーんだよ。俺の次に中級に昇格したお前なんだから勉強も人気もお前が努力して得た事くらい、エクソシスト連中なら知ってるし。学校の奴らの言う事なんて気にすんなよ。お前はお前の能力を誇ってりゃイーだろ」
涙で濡れた瞳で瞬きをパチパチしながら聖弥を見上げる美園の瞳から流れていた涙は、いつの間にか止まっていた。

それから美園には学校で姫子以外の話し相手が増えた。隣のクラスの聖弥だ。美園と居ると周りは聖弥に「三森に催眠術かけられたのか?」「神堂君、三森さんから離れた方が良いよ!」などと言ってきたが、聖弥は全く気にも留めず。
ある時は2人で図書室でテスト勉強をして。
「聖弥君そこ、まず基礎からなってないから」
「あ?」
「本ッ当数学が突出して駄目ね。ま。学年1位の私から言わせたら聖弥君は全教科駄目だけど」
「三森お前明日シュミレーターで勝負しろ。ボッコボコにしてやるからな」
「エクソシストと学業を混合させないで」
ある時は聖弥の妹・天音とも一緒に遊んでくれた美園。だから姉が出来たようで天音も美園に懐いていた。
「美園遊ぼうぜー!」
「良いわよ。何して遊ぶ?天音ちゃん確かバスケが得意だったわよね。ボール持ってきたから良かったら一緒にバスケしない?」
「するするー!!」
「じゃあ私と天音ちゃんVS聖弥君で」
「兄貴をボッコボコにしよーぜ!」
「うふふ。そうね」
「おいお前ら」
そして美園も聖弥と同じ横田隊に配属された。
「優秀なエクソシストで可愛くてお利口な美園っちが横田隊に配属されてチョ〜嬉しいよ〜ん☆クソ生意気神堂に毎日疲れ果ててた俺の癒やしだ美園っちは☆」
「えへへ。ありがとうございます横田隊長」
「美園っちが配属されたから〜神堂はもう要らないね☆田端君の隊に転属させちゃおっかなぁ〜☆」
「っざけんなよ横田ァ…!!」
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