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逢魔時奇譚【23話(39)】
「と、兎にも角にも!聖弥良かったですわね!世界一可愛いれいな様が貴方の監視役で!四六時中、目の保養になりましてよっ!」
「!お前っ…?!あれはベソかいてるお前の為に言ってやっただけだろーが!真に受けるかよフツー?!バッカじゃねーの!?」
「"どんな姿でもれいなは世界一可愛いだろ!!"ですわっ!!」
指で目をつり上げたり声色を低くして聖弥の真似をして言うれいな。
「〜〜!!うぜーー!!今すぐ忘れやがれ!追い出すぞポンコツ!!」
「ふふふっ♪」
閉じた318号室の扉の向こうから、賑やかな2人の声が静かな廊下へ洩れていた。2人の寿命まで、あと約180日ーー

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逢魔時奇譚【23話(38)】
「堕天使せーやが、もう裏切らねーように四六時中しっかり見張りやがれよ。監視員れーな様」
れいなは、頬を真っ赤に染めて満面の笑みを浮かべて聖弥を見上げた。
「勿論でしてよ!!この射手園れいな様が、煩わしい程にこの先何年、何十年と貴方を四六時中監視して差し上げますわ!覚悟なさい聖弥!!」
ビシッ!と指を差してニコニコ満面の笑みを浮かべるれいな。
れいなは知らない。降霊術は蘇ったのではなく、ただ魂を呼び戻して降ろしてきただけなのだという事を。サタンの力が解放した聖弥も、降霊術で霊魂が降りただけのれいなも寿命が半年だという事を。
ーー言わない方が良い、ってなーー
一方れいなは突然口に手をあてて節目がちになる。
「あっ…。けれど」
「何だよ」
「いくら監視役とは言え、こ、恋人でもないわたくしが入室しては聖弥の恋人に失礼でしてよ…?」
「あー。それな。今居ねーから」
「えっ!?本当でしてっ?!聖弥は今、恋人大募集中ですのね?!」
「一生募集してませーん」
「そっ…?!そ、そうですのっ…。そう…ですの…そう…」

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逢魔時奇譚【23話(37)】
「降霊させた霊魂をあの世に戻す術も確かあったよな」
「えっ!?!」
バッ!と勢い良く振り向いたれいな。慌ててガタン!と扉にしがみつき、聖弥を見上げた。
「ダ、ダメでしてよ!?そ、そんな事をなさったらお祖父様に言い付けましてよ!?」
「ほー」
「ダ、ダメ!本当の本当にダメでしてよ!?わたくしの魂を戻してはお祖父様や、貴方が最も寂しがりますでしょう?!」
「元帥はそうかもしれねーけど。俺はどーだろなー?」
「うぅっ〜…!」
あっさりと言う聖弥に、れいなは目をうるうる潤ませて見上げると、唇を噛み締めてから大きく口を開いた。
「せっかく蘇ったのですからもう意地悪するのはおやめなさい!!サタンに殺されてからわたくしは暗い世界でずっとずっと独りぼっちで寂しかったのでしてよ!?わたくしが一番寂しがり屋なのをご存知でしょう?!聖弥!!」
「初めから素直にそう言えよポンコツ」
ぐいっ、閉じかけていた扉が開いたから、扉にしがみついていた左手がズルッ、とズレて前のめりになった。れいなのその小さな左手を、聖弥の骨張った大きな手が掴む。れいなはキョトンと目を丸めて、彼を見上げた。
「あっ、」

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逢魔時奇譚【23話(36)】
「うぜーけど、ま。仕方ねーし」
さっさと入室する聖弥。しかし、れいなは扉の前でドギマギしたままだ。
「部屋。来ねーの?」
「ひゃあっ?!」
ノブを握りながら、顔をひょっこり出してきた聖弥に、ビクゥッ!!とするれいなは真っ赤な顔。対して聖弥は平常運転。
「かかかか監視役と申しましてももも!居住を共にしてまで監視をしろとはお祖父様から申されておりませんもののの!!」
「あっそ。なら俺的にもラッキー。じゃーな。おやすみ。れーな」
「おおおおやすみでしてよっ!せせせせーやっ!!せ!聖弥ッッ!!」
完全に扉が閉まる寸前。れいなが声を上げた。ドキドキする左胸に左手を添えて。
「わっ…、わた…わたくしをっ!こっ、降霊術で…!蘇らせてくくくださり…あ、ありがとうっ…!!そそそ、そこまでしてわたくしに会いたかったのですねっ?!わわわたくしはべべべ別に貴方となんて、蘇ってまでお会いしししたくはありませんでしてよっ?!ままま全くっ!貴方は見かけによらず、寂しがり屋さんですわねっ!!」
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