タイトルなし

逢魔時奇譚【22話(82)】
ヒュン!聖弥は変身装置で、バトルスーツへ変身し十字架を構えた。
「…何だよお前」
「ボク?ボクはねぇ」
中年女性はニヤァ…と笑った。
「666を統括する魔王サタンだよ」
中年女性伊万里の右目が渦を巻いた赤い瞳に、左目は魔法陣が描かれた左目に変わった。その瞬間、あの強気な聖弥でさえも言葉を失い唖然としてしまうのだった。

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逢魔時奇譚【22話(81)】
リムジンが見えなくなると歩き出す聖弥。
「…寒っ」
ぶるっ。身震いする。コートが無いからだ。
「やっぱやんなきゃ良かった」
「へぇ。此処が下等生物共の巣窟かぁ」
「…?」
誰も居ない筈。木の上から声がして見上げると木の枝に中年女性が腰掛けていた。
「そしてさっき行ったのが、元帥の孫娘射手園れいな。可愛い頭だ。ボクの頭コレクションに実に加えたい。あの雌を殺ったら元帥はどんな苦痛に歪めた顔をするかなぁ?」
物騒な事を言う女性。だから聖弥は眉間に皺を寄せて睨み付ける。

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逢魔時奇譚【22話(80)】
窓を上げる。窓が閉まりきる直前。
「れいな!」
「はい?」
呼ばれて、れいなが顔を向けた。
「またな」
「はいっ!またな、ですわ聖弥!」
ブロロロ…、エンジン音をたてて去って行くリムジン。聖弥が見えなくなるまでれいなは手を振っていたが、彼は一度も振り返してはくれなかった。ただ、リムジンが見えなくなるまで其処に立っていたけれど。

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逢魔時奇譚【22話(79)】
「!」
重たかったキャリーバッグの重さが、ふっ、と無くなった。いつの間にか隣に立っていた自分より大きくて骨張った右手がキャリーバッグの取手を持っている。だから、れいなはゆっくり見上げた。
「ありがとう聖弥。運んで下さいますのね」
「……」
身軽になったれいなが先をパタパタ歩く。その後ろを、キャリーバッグをガラガラ引く聖弥。リムジンに到着すれば、運転手が現れて後部座席のドアを開く。
「れいな様。空港で元帥がお待ちです」
「あら。お見送りが無いと思いましたらお祖父様ったら先回りしておられましたのね」
クスクス笑いながら後部座席へ乗り込むれいな。ブロロロ…、リムジンのエンジン音。
「聖弥」
後部座席の窓を開けたれいなの笑顔が車内から覗く。それでも聖弥はいつもの不機嫌な顔のままだ。
「わたくしが大学卒業の4年後にお会い致しましょう」
「……」
「それまで死んではいけませんでしてよ?ふふっ」
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