タイトルなし

終焉のアリア【32話(16)】
「友達相手にこんなにマジになるなんてこんなの俺らしくないんだよ!!お前のせいだからなド田舎者!!」
――笑いながらなのにボロボロ涙を流してこんなに感情的になるなんて全っ然俺らしくない。こんな俺を俺がムカつくはずなのに、心の奥底からすっきりした…。散々こいつの事をツンデレとかからかってきたけど嗚呼、そうか。俺の方だったんだ。傷付く事を恐れ、強がって素直になれずにいたのは――
「アマ…サキ…ア、マ…サキ…アマ…サキ…」
何度も何度も親友の名を呼びながら涙をボロボロ流す鵺。空は腕で自分の涙を拭うとフードをかぶせた鵺の頭をポン、と叩く。
「しっかり掴まっておけよこの、ド田舎者が」
コクコク何度も頷く鵺。空は自転車のハンドルを力強く握り、漕ぎ出そうとする。

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終焉のアリア【32話(15)】
「アマ…サ、キ…ア…マ…サ…キ…」
「…!!」
――柄にもないな。こんなの俺らしくない。友達なんてモノはその場凌ぎのモノでしかない。ずっとそう信じ込んできた。何事も面倒くさいからと言って、何事にも無関心なフリをしてきた。だって熱い友情とかかっこ悪いじゃん?信じて裏切られた時かっこ悪いじゃん。だから、友達も恋人も全部全部無関心でクールなフリをして、他人とは広く浅く付き合ってきた。それが一番居心地が良かった。裏切られた時苦しまなくて済むじゃん。…でも心の深い所に居る俺は、そんな俺の嘘を見抜いていたかもしれない。でも俺はクールを貫いて、何事も広く浅く付き合ってを貫いてきた。だから、こんなの…――

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終焉のアリア【32話(14)】
「俺を信じろ鵺!!」
「う"…、う"…」
ピタッ…裏返った空の大声に、鵺の動きが止まる。
「…しっかり掴まっておけよ。落っこちたって知らねーからな」
自転車のスタンドを足で蹴り上げて、サドルに跨がり鵺に背を向ける空。鵺の左手の爪が、空の背中を引っ掻く。
「何だよ。しっかり掴まっていろって言って、」
「ア…マ…サ…、キ…」
「!?」
鵺の声が自分を呼んだから咄嗟に振り向く空。途切れ途切れだし、本当にそう言ったかは確信できない。空耳かもしれない。でも確かに鵺の声がした。
「鵺…!?今…俺の名前…、」

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終焉のアリア【32話(13)】
一方の空と鵺。先程盗んだ自転車を立たせて荷台に鵺を乗せる。
「いいか鵺。俺の腰にしっかり掴まっていろ。暴れたり、勝手に降りたりすんなよ!」
「う"う"う"!!」
ガッ!
「痛っ…!」
しかし、また暴れて空の腕や頬を切り裂く鵺。
「くっ…!鵺!聞け!!お前と会ったばっかりの頃!俺のマンションにシルヴェルトリフェミア達が居て逃げた時!覚えてんだろ?!あの時みたいに俺、チャリぶっ飛ばすから!しっかり掴まってろ!忘れたなんて言わせないからな!お前と今まで過ごしてきた思い出全部忘れたなんて言わせないからな!!無理矢理にでも全部思い出させてやる!!俺がお前を匿っている事が正しいとは思わない!!無意識とはいえお前が月見さんや他の人間を殺したのは事実だし、あいつらがそれに怒ってお前を殺しに来るのも分かる!!だから俺がお前の罪を全部背負ってやる!!」
「う"う"う"…!」

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終焉のアリア【32話(12)】
止めをさす為、炎の中、2人目掛け走るが…
「くそ…!!」
下に視線を向ければ、鵺の手を引いて自転車の方へ逃げていく空の姿が見えた。ファンはすぐ、耳につけていたイヤホン型無線機をONに切り替える。
「すまないハロルド!建物正面へ逃げた!」
「了解だよ、ファン君」
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