タイトルなし

終焉のアリア【29話(15)】
赤と黄色のオッドアイから流れる光るモノを頬に伝わせ、彼らしかぬ満面の笑みを浮かべる白髪(はくはつ)の少年…空はMAD化して自我を失った親友へ微笑みかける。
「全員が敵になっても、俺だけはお前の味方でいてやるよ、鵺…」

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終焉のアリア【29話(14)】
火の海東京。人気の無い半壊のビルの中。
「ヴッ…ヴヴヴ!!」
「痛って…、」
月見を殺したMADの長く赤い爪が、白髪(はくはつ)の少年の左頬を切り裂く。それでも少年はそのMADを攻撃しない。
「ア"ア"アア"!!」
押さえ付けられているせいで声を上げ暴れるMAD。
「はぁ…はぁ…。助けてやったんだぞ…礼くらい言えよな…。つーか…マジで何やってんだよ…。お前は本っ当、世間知らずのド田舎者だよ…。お前の好物は人間なんかじゃねーだろ…。メロンパンっつってただろーが…。何で仲間を食い殺してんだよ…馬鹿が…。良くしてくれた仲間を殺したら、お前また独りぼっちになるんだぞ…分かってんのかよ…」
「ヴヴッ…ヴヴヴ…」
喋る事ができず、動物のように唸るだけでジタバタ暴れるMAD。
「お前はその様子じゃもう何も覚えてないみたいだけど…俺さ、こう見えて約束は守るたちだからさ…」

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終焉のアリア【29話(13)】
「ギャアアアア!!」
飛び上がった風希がMADの右腕を斬り落とせば、MADは緑色の血を噴き、もがき苦しむ。それからMADを逃がしてしまった。そして鳥と花月は初めて見た。風希の黄色の瞳から涙が流れている姿を。
「無茶しなきゃ、私が無茶しなきゃ姉様の仇は討てない!!お父さんとお母さんの仇は討てない!!お鳥ちゃんと花月を守れない!!私が死んででも無茶しなきゃ、家族全員殺される!!だからもう放っておいて!!」
ギュッ…、花月と鳥が風希を抱き締めれば、鬼の形相をして涙を流していた風希の目が見開く。
「風希姉さん強情張るのいい加減やめろよ!姉さんは1人で背負い過ぎなんだよ!無茶し過ぎなんだよ!何の為のきょうだいなんだよ!そうやって姉さん1人で無茶して、万が一の事があった時悲しむ人がいる事を全然分かってないじゃんか。昔の俺と同じだよ、姉さんは」
「風希ちゃん、もう嫌だ…お父さんとお母さんと月見ちゃんがいなくなって、もう嫌だ…あたしもう嫌だ…これ以上家族がいなくなるの嫌だよ。家族なんでしょ。なら協力し合うのが家族だよ。あたし達と一緒に戦おう。月見ちゃんもお父さんもお母さんもきっと、それを望んでいるよ。今後1人で行動したら、風希ちゃんが好きなオカルト本全部捨てちゃうよ。だから花月の言う事聞いて。1人で無茶しないで!」
「…ぐすっ…、うん…分かった…」

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終焉のアリア【29話(12)】
バリッ!バリッ!バリッ!
「ペッ!」
カラン、カラン…僅か1分の間に。腹に刺した爪を爪楊枝代わりに月見を口の中へ放り込み完食したMADは、口からペッ!と、赤い血がべっとり付いた骨を吐き出す。

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終焉のアリア【29話(11)】
「え…な…、な、に…」
口から血をボタボタ流して目から涙を溢れさせる月見。
「よ、か…た…わた…し…お姉さ…ん…なの…に…、役たたず…だか、…らっ…これ…くらいしか…できなく…て…ごめん…ね…」
月見の腹を突き刺したMADが、腹から腕を引き抜く。其処に3人の人間が居る事しか分からないくらい、月見の視界はぼやけていて、3人が何と叫んでいるのかすらもう月見には聞こえない。そんな月見の脳裏で過る走馬灯は、昔…幼い妹達や弟との幸せな思い出。
『月見姉様…遊ぼ…』
『ふーきお姉ちゃんだめだよーっ!つきみお姉ちゃんは今日はお鳥とおままごとするのっ!』
『つ、月見姉さんこの絵本読んでくださいっ』
「ふ…、きちゃ…、おちょ…ちゃ…、かづ…き…、の…お姉さん…で…良かっ…た…、大好…き…だ…よ…」
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