タイトルなし

逢魔時奇譚【2話(2)】
「え?祓魔?」
ピタッ…、天音は動きを止める。
「いや…してないっスけど…。はい…はい、椎名奏をぶち殺しただけで…。つか悪魔憑きを殺れば、そいつに憑いてる悪魔も消滅するんじゃないんスか?…え?」
いつも勝ち気で明るくて、弱さを見せた事の無い天音の顔がみるみる真っ青になり、冷や汗がダラダラと流れ出す。口角をヒクヒク引きつった笑みを浮かべざるを得なかった。何故なら…
「憑いてる悪魔を祓わない限り、憑かれた人間は不死身…?…マジで?」
ダダダダダダ!!直ぐ様方向転換。今来た道を全力疾走する顔が真っ青な天音。スマホは肩と顎で挟んで、通話をしたまま。
「そんなの習いましたっけ!?て事は、さっきの眼帯はまだ生きてるって事!?激ヤバッ!!だって殺れば人間も憑いてる悪魔も死ぬのがフツーじゃないっスか!??いやいやいやいや!アタシ、元帥の授業寝て…寝…ちょっと寝ましたけど!習ってないっス確実に!!はぁ?!アタシが寝てる間に授業やった!?つーかとりま、アタシ今眼帯殺った場所に戻ってる最中なんで電話切りますね?!だーーッ!分かってますーー!」

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逢魔時奇譚【2話(1)】
悪魔憑きの奏を殺害後、白い月夜の下、田舎な為か人通が無い住宅街を、腕を伸ばしながら歩く天音。右手を開くと、いつもの強気な表情は無く、悲しそうに笑う。
「仇討ちはこんなにあっさりできたのにさ。父さんと母さんが死んだ悲しみはアタシの中でこれから一生続いていくんだ。…っざけんなよあの眼帯野郎」
ヴー、ヴー、誰も居ない静寂に包まれた夜の住宅街に、天音のスマホのバイブ音が響く。
「何スかー?アタシ今からもう1体殺りに行くんで、ショーもナイ用なら後にしてくれませんー?…は?はい。椎名奏っすよね?殺りましたよ、瞬殺っすよー!アイツ悪魔憑きのクセにゲロ弱でしたよ!何であんな奴にアタシの両親殺られちゃったんスかねってくらい!アタシの聖剣でシュババーッ!とね!」
スマホ片手に、空いてる右手で聖剣を振り下ろす仕草をして得意気な顔の天音。
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