タイトルなし

逢魔時奇譚【1話(9)】
「眼帯をしていないと左眼がダレかを殺してしまうから、ですか?」
「…!!」
由輝の一言に目を見開いた奏は、由輝を払い除けた。
「…はぁ…!はぁ…!…そうだ…、そうだ…!…お前はどうしてあの時…!」
『私と椎名君のナイショ。ですよ?』
屋上での由輝の笑顔と言葉が過る。あの時は、初めて女の子にしかも、テレビから飛び出したようにとても可愛い女の子に優しくしてもらえて有頂天になっていて気付けなかった。
「僕の名前を…!知ってたんだ…!」
遅刻をしてきた由輝とはあの場で初めて会った。なのに彼女は、奏の名前を知っていた。
「言ったばかりですよ。私は椎名君が引っ越して来ると知っていたから、話題もこの町へ引っ越して来たのだと。ですから名前を知っているのは当然です」
「はぁ…!お前は…、お前は一体何者、」
■拍手ありがとうございます!おかげ様で漫画部門でランク入りしました。皆様のお陰です。ありがとうございます。

タイトルなし

逢魔時奇譚【1話(8)】
御殿神社ーーーーーー
「良かった…。椎名君に何かあったら私、とても困るんです。だって私、椎名君がこの町へ引っ越してくると知っていたから私も引っ越して来たんですよ」
「…は…、は…?何それ…意味分かんないし…!ストーカーじゃん…!?…それに今日会ったばっかりなのに…そんな事…」
顔を覗き込まれて、すぐ目の前に由輝の可愛らしい顔がある。ギョッ!と目を見開いてまた顔を下へ向け…るはずが、何故かそうはせずずっと顔を上げたまま見合わせてしまう。
「左目…」
「…!」
スッ…、由輝が、奏の左目につけている眼帯に触れる。切なそうに。
「…やめ…、」
「痛いんですか?」
「…違う…!放せ…!」
言葉では強く言っても、昼間、柿崎にしたように由輝を振り払えずにいる。
「怪我をしているんですか?」
「…違う…!いいから放…、せよ…!」
「じゃあ…」
「…だから…!放、」

タイトルなし

逢魔時奇譚【1話(7)】
「転入生ですよね?」
ビクッ!すぐ後ろから声がして、思い切りビクッ!としてしまう奏。
「…そ、そう…だけど…何?」
「私も昨日転入してきたんです!」
「…へ、へー…そう…」
「この町の事はまだ何も知りませんけど、昨日少し探検していたらとても素敵な神社を見つけたんです!」
「…へ、へー…。それは良かったね」
「ですから放課後。一緒に行きませんか?」
トン、トン、女子生徒に肩を指で叩かれて、咄嗟に振り向いてしまった。
「私と椎名君のナイショ。ですよ?」
「〜〜…!!」
人差し指を自分の下唇にあてる女子生徒に、無愛想で無表情で暗い奏の白い頬がほんのりピンク色に染まった。女子生徒の名札には、高校にも関わらずフルネームが彫られていた。【神堂 由輝】と。

タイトルなし

逢魔時奇譚【1話(6)】
屋上出入口扉の裏からひょっこり顔を覗かせたのは、逢魔時高校の紺色ブレザーを着て黒髪で高い位置から短いツインテールをした1人のおとなしそうな女子生徒。
「ごめんなさい。驚かせるつもりは無かったのですけど…。慌てて此処へ来て呼吸が苦しそうでしたから大丈夫かな、と思って声を掛けたんですけど…」
「…ら、」
「え…?」
下を向いてモゴモゴ何かを呟く奏の声は聞き取れないから、顔を覗き込むように女子生徒が首を傾げる。
「大丈…ぶ…だから、」
相変わらず下を向いたままだが奏から"大丈夫"その言葉が聞けて安心した女子生徒は優しい笑みを浮かべた。
「そうですか!良かったです!」
ほわほわした見るからに天然な女子生徒を、チラッ…と上目使いで見てすぐまた下へ目線を落とした奏。一瞬、奏の瞳に映った女子生徒の顔はとても可愛らしくて、クラスメイトとは違う優しさに溢れていたから、奏は安堵した。

コメント返信です!

何故か書き込めなかった為、【追記】にて、コメントと拍手コメント返信をさせて頂きます!ありがとうございました(^o^)
続きを読む
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2017年11月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
カテゴリー