タイトルなし

症候群本編【72話】
此処は上空遥か上の為、戦闘空域からは外れている。辺りを見渡しても仲間機もロゼッタしか居なければ、アンデグラウンド機もこの1機しか居ない。レーダーも他の敵機を感知していない為この1機だけが何故こんな所に居るのか不思議だが、それをどうこう考えている時間すら無駄だと知る。
「くそ!こいつがイーデンを撃墜したのか!…いや、違うな…私がイーデンを、同胞を殺したのか…」
一刻も早く部下へ停戦命令を下さねば。これ以上両国の被害が拡大する前に。しかしトーマスの指示で愛機の通信機能が現在本国に居るウィルバースに監視され且つ、部下への通信機能をロックされている為どうする事もできない。
「ここは一旦部隊に戻り、時間はかかるが直々に部下達へ伝えるしか停戦命令を下す手段はなさそうじゃな!」
このアンデグラウンド軍戦闘機とは対峙せず、部隊へ戻る為、敵機を近寄らせないよう地上へとぐんぐん降下していくロゼッタ機。
■先日此処に頂いたコメントに返信致しました!遅くなってすみませんでした!

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症候群本編【72話】
其処に浮かぶのは、今イーデンを殺したアンデグラウンド軍戦闘機1機。心なしか今まで対峙してきたアンデグラウンド機と少し形が異なる気がする。細身で動きも速い。

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症候群本編【72話】
灰色の煙が消えた其処には青色のイギリス軍戦闘機の残骸が火の粉を灯しながらバラバラ地上へ落下していく光景が広がっていた。
「イー…デン…?」
此処にイーデンの戦闘機があったと言わなければ、この破片が元はどんな形をしていたのか見当もつかない程原型を留めていない。木っ端微塵。まだ目の前の現実を理解できずにいるロゼッタの瞳にそれらが映る。ドン!
「っぐ…!!」
1機の群青色の戦闘機が自分の目の前を猛スピードで通り過ぎた。目を凝らしてヘルメット越しにその機体を見れば、機体胴体部に描かれていたのはアンデグラウンド王国国旗。

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症候群本編【72話】
しかし左腕で顔の前を覆い、右腕で自分の愛機AN22にしがみついた為なんとか爆風で空へ放り投げられる事は免れた。灰色の煙が辺りに充満して視界ゼロ。バチバチと火の燻る音と嫌な焦げ臭さが鼻をつく。煙で目が染みるが徐々に目を開いたロゼッタの前には確かに今、母国の為に犯した自分の罪を認め更正の道を切り開いてくれた唯一の部下であり唯一の弟の機体がすぐ其処にあったはずなのに…。
「…!?」

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症候群本編【72話】
ドンッ!大きな爆風。機体の外へ出ていたロゼッタの小さな身体が吹き飛ばされてしまうところだった。
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