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終焉のアリア【E.D.B274】
扉を閉めて玄関へ戻ると…
鵺「お義父さんと義妹をMADに食われた雨岬おめさんの気持ちはよう分かるろも」
空「!」
鵺「元は地球人の奴らに対して"死んだってどうでも良い"はさすがに言い過ぎらて」
空「何だよ。盗み聞きか。趣味悪っ」
鵺「話が聞こえたすけ、大体の事情は分かったて。あんなに騒がしかったってがんに花月は爆睡してるろもな」
空「何つー寝相…」
布団から落ちて畳の上で爆睡の花月。鵺が花月を叩き起こしてTVを付ければ、ニュースには巨大なMADエリが映っている。空達以外の一般人はこのMADがEMS軍のエリだとは知らない。
アナウンサー「突如千葉の街に現れた無数の目玉を持つ巨大なMADにより、街は破壊されていきます!近くにお住まいの地球人の皆さんはEMS軍が到着するまでできるだけ遠くへ逃げて下さい!」

鵺「こいつがイーヴィル隊の隊長らしいて」
花月「でえ"ぇ"?!何ですかこのいかにもゲームのラスボス感満載の奴は!?」
アナウンサー「なお、こちらの映像は10分前のもので、現在はこの巨大MADは突如姿を消しており、行方が分からなくなっております。地球人に化けている可能性もある為、地球人の皆さんは戸締まりをしっかりして下さい」
ピンポーン。チャイムが鳴る。空は扉を開けた。
空「ハロルドさんっすか?何か忘れも…、」
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終焉のアリア【E.D.B273】
ミルフィが空の頬を叩いた。
ミルフィ「もしも鵺ちんがこれから先人肉を食べるようになった時、雨岬君は鵺ちんを死んだってどうでも良いって言うんだねそういう意味でしょ。それとも、人肉を食べても鵺ちんは良くてあの3人は駄目だって、命に優劣をつけるの?ミルは、MADとハーフの鵺ちんと友達になった優しい雨岬君だから好きになったんだよ。死んだってどうでも良い命はこの世に一つも無いんだよ!」
先を行くミルフィを慌てて追い掛けながらハロルドは空に言う。
ハロルド「じゃ、じゃあ僕達はイーヴィル隊の3人を連れて来るけど、その間誰かが訪ねて来ても絶対に扉を開けたら駄目だからね!」
空「はい」

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終焉のアリア【E.D.B272】
ハロルド「僕にだってMADに殺された大切な人が居る!」
空「なら尚更じゃないっすか。MADを助けてその人に申し訳無いって思わないんすか」
いつも穏和なハロルドが珍しく声を荒げて怒りを露にする。だが空は全く動じない。我に返ったハロルドは申し訳なさそうに額に手をあてる。
ハロルド「…雨岬空君ごめんね。急に声を荒くしてしまって…。僕は大人として失格だ…」
ミルフィ「雨岬君!」
空「言ったよな。お前が狙われるからあいつらと関わるなって」
ミルフィ「ご、ごめんね…覚えてるよ…。で、でもミルやっぱり一度でも喋った子達をこのまま見過ごす事なんてできないよ…!MAD化されたって知ったら尚更…!」
空「それはお前を誘き寄せる罠かもしれないだろ」
ミルフィ「そんな事するような子達じゃ…」
空「俺らを追い出して俺らの仲間の存在を消したような奴らをよくそう言えるよな」

ミルフィ「っ…、で、でも…鵺ちんだって地球人とMADのハーフだけど雨岬君は友達でしょ…?あの3人もそれと同じようなものじゃ…、」
空「鵺は人肉を食わないし地球人を襲わない。あいつらと一緒にすんな」
ミルフィ「そういうつもりで言ったんじゃないよ!ミルは…ミルは…半MADの鵺ちんと友達になった雨岬君みたいに優しい子になりたいから雨岬君を真似したいだけだよ…。元は地球人のあの3人と友達になりたいって仲良くしたいって思っただけだよ…。雨岬君ごめんね行かせて…!早く行かないと3人が殺されちゃうよ…!」
空「元は地球人だろうが人肉食ってる奴なんてMADそのものじゃん。そんな奴ら死んだってどうでも良いだろ」
ミルフィ「…!!」

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終焉のアリア【E.D.B271】
ハロルド「あ…」
ミルフィ「…!!」
ハロルド「雨岬空君…!」
玄関に現れたのは、空。
空「立ち聞きすみません。けどあんまりにもでかい声で話してるんで嫌でも聞こえました」
ハロルド「起こしちゃってごめんね…」
空「そんな事どーでも良いんすよ。謝ってほしいのはそっちじゃなくて。MADを助けに行くっつー事の方です。元が地球人だか何だか知らないっすけど、イーヴィル隊は俺らの仲間を拉致って存在を消したんですよ?人肉を食ってるんすよ?そういう奴らを地球上から全滅させるのがEMS軍っすよね?なのにそいつらを助けに向かう意味が俺には、さっぱ分からないです。俺何か間違った事言ってますか?」
ハロルド「…っ、何も間違っていないよ正論だ。雨岬空君の言いたい事はよく分かるよ。けど…僕もミルフィ・ポプキンちゃんも救いたいんだ!元は地球人だった人間が無抵抗のままMAD化されてMADとして生きるしか術が無くて…。なのに今彼らは同じ地球人だったEMS軍に、信頼していたMADに命を狙われているんだ。そんなのはあんまりだよ!僕達だって一歩、一秒違えば彼らと同じ人生を歩んでいたかもしれない。その時、救いの手を差し伸べてくれる誰かが必要だと思う筈なんだ!それに彼らは雨岬空君達と同じまだ子供だよ。僕は彼らを保護したいと思っているんだ」
空「あんたは大切な奴をMADに殺されていないからそんな暢気な事が言えるんだ!あんたみたいな脳内花畑がEMS軍人だったなんてがっかりさせんなよ!!」

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終焉のアリア【E.D.B270】
ハロルド「これは…!ミルフィ・ポプキンちゃんの予想通り本当にMAD化された地球人の子達が居たんだね…!!」
ミルフィ「全員じゃなくて3人でしたけど…。その3人がEMS学園に転入して来た3人なんです!!私達と同じまだ17歳なんです!MADにされて信頼していた隊長に殺されるなんてそんな人生可哀想です!!だから早く助けに行かないと!3人が殺されちゃいます!ハロルドさん!」
ハロルド「イーヴィル隊長に追われているとあったね」
ミルフィ「はい!」
ハロルド「僕が外に居たのはあの騒ぎが聞こえたからなんだ」
ミルフィ「…?」
険しい顔付きをしたハロルドが指差す方を向く。遠くに見える街ではエリの巨体が暴れ、建物を薙ぎ倒し炎まで上がっている光景。遠方だがサイレンや悲鳴が此処まで聞こえる。

ハロルド「もしかしたらあの緑色をした巨大なMADがイーヴィル隊長かもしれないね」
ミルフィ「じゃあイーヴィル隊長が桜花駅に着く前に3人を助けに行きましょう!」
ハロルド「ミルフィ・ポプキンちゃんは危ないから僕だけで行くよ」
ミルフィ「ミルも行きます!行かせて下さい!ハロルドさんはEMS軍は、MADに荷担していたミルを助けてくれた恩人なんです!だからミルも戦います!助けます!お飾りのEMS軍人でなんていたくないんです!!」
ハロルド「…分かったよ!じゃあ行こう!」
ミルフィ「ありがとうございます!」
空「いくら元は地球人だからって人肉食ってるMADをEMSが助けるっておかしくないっすか?」
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