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症候群【D & M30】
ダミアンを食そうとしている貴族達の意識を反らす為、長い前髪で隠していた右目を露にしたマラ17世。潰れている右目には何と赤い十字架が彫り込まれていた。それを見た貴族達は勿論、ダミアンも目を見開き驚愕。
ダミアン「なっ…?!貴様まさか…!!」
女「ヒィ!赤い十字架?!」
男「まさかあの子は!!」
男「異端マラ教徒だぁあ!」
女「キャアアア!マラ教徒よ!!あんな異端児を食したら体内からマラ教に侵されてしまうわ!!」
男「誰があのような異端児を食すものか!」
女「逃げて逃げてぇえ!マラ教に汚染されるわよ!!」
貴族達は悲鳴を上げて一目散に逃げ出し会場を飛び出す。その隙にダミアンは上体を起こす。
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症候群【D & M29】
マラ17世「はぁ…はぁ…」
目を見開いたマラ17世の視線の先には、巨大なフォークの先端で殴られた頭部から血を流し、殴られた衝撃で床に強く打ち付けられた際切れた口からは血を流すダミアンが床に横たわる姿。巨大なフォークが今まさに、ダミアンに突き刺さろうとしている。
ダミアン『科学室を教えてくれた礼だ。私が愚民に奢るなど最初で最後だ。光栄に思い有り難く食せ』
マラ16世『姉さん達はマラ教皇を継ぐ権利を持たぬ女。故に殺されて当然なのだ。シルヴァツお前は神を冒涜する身体ではあるが、男でもあるのだから将来は私の継承者となりマラ教皇を務め、憎きカイドマルド王室を抹殺するのだぞ』
マラ17世の脳裏で過るのは今日学園で食事を奢ってくれたダミアンの言葉。父マラ16世の言葉。

マラ17世「こちらを見なさい!これでもまだ私に食欲が沸きますか!?」
男「?」
突然叫んだマラ17世へ会場の人間全員の視線が向くと…

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症候群【D & M28】
一方のマラ17世は、追い掛けてくる貴族達から逃げる。
マラ17世「はぁ、はぁ」
走りながら脳裏に浮かぶのはダミアンが今日学園で解いていた姿。
ダミアン『古来よりカイドマルド王国でマラ教が迫害される理由は2つ。1つ目は国教以外の宗教を派生され宗教の自由を容認すると、王室は全宗教を統治しなければならくなり最悪の場合宗教戦争に発展する恐れが有る為。2つ目は"強肉弱食"と造語の信条を掲げ、奴隷にも人権を与えよと謳う愚かで惰弱な発想は、世界大国を目指す我が国の面子を辱しめる行為で有る為』
教師『さすがはカイドマルド王室のダミアン様!一言一句正解です!皆さんも異端なマラ教徒を見つけたらすぐに報告して下さいね。異端なマラ教徒はこの世から排除されるべき存在なのですから!』

マラ17世(…そうです。これはマラ教徒の私にとって好機ではありませんか。彼は古来より我が教を迫害し対立してきたカイドマルド王室の人間。自ら死にに行ってくれたお陰で私は彼を殺める手間が省けました。…"マラ教がカイドマルド王室第二王子を殺害した"という名誉が得られ無くなってしまうのは惜しいですが。これで彼を始末出来るのですから、手段は違えど私の任務は達成。めでたしめでたしで、)
ダミアン「ぐあぁあ!!」
マラ17世「…!」
背後からダミアンの叫び声が聞こえてマラ17世は思わず振り向き立ち止まってしまう。追っ手との距離は縮まる。

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症候群【D & M27】
マラ17世「は…はい…?」
自分は今から食人達に食われるというのに、顔色一つ変えずに見てくるダミアンを、マラ17世は冷や汗を流しながら見上げる。
男「まずい!もう1人を逃がすつもりだぞ!」
男「そうはさせん!黄緑色の髪の奴を捕らえろ!」
マラ17世「!」
ダミアンの今の言葉を聞いていた男貴族2人はマラ17世を捕らえる為に駆け付けた。しかしマラ17世は逃げていく。
男「待て!ガキ!」
ダミアン「……」
貴族2人に連行されながらも、マラ17世が無事に逃げ出せた様子を黙って見送るダミアンだった。

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症候群【D & M26】
ダミアンとマラ17世の両手が一緒に拘束されていた手錠を貴族が外す。
男「先ずは君から食す。立ちたまえ」
ダミアン「ああ」
言われた通り立ち上がるダミアン。
マラ17世「ちょっ…?!何をお考えなのですかダミアン様!?こんな変質者達の胃袋に自ら収まりに行くなんて貴方らしくありませんよ?!貴方はこのような最期でも良いと思えるのですか!?」
ダミアン「外れたな」
マラ17世「はい?!」
ダミアン「私の手錠が外れたという事は、私と貴様とで一緒に拘束されていたこの手錠は今、貴様の分も外れたという事だ」
マラ17世「…あ!」
ダミアンは貴族達に両腕をがっちり掴まれながらも、振り向いてマラ17世に言う。
ダミアン「手錠が外れた今の内だ。貴様だけ逃げろ」
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