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逢魔時奇譚【6話(20)】
「…だって…、…頑張れって…応援されたのに…、かっこ悪いから…」
「天音ちゃんに?」
「……」
ましろが両手を強く握ってきた。
「そんなん…!そんなん、天音ちゃんも…うちも…思うわけ無いやん…!もしもかなやんが死んじゃったら…!天音ちゃんもうちも悲しむの、かなやん全然分かっとらへん自己中やん…!!」
ひっく、ひっく肩をひくつかせてぎゅっと瞑った目からまだ尚涙を流すましろに、奏は驚いて目を丸める。
ーー家族以外で…僕の事をこんなに…心配してくれる人…いるんだ…ーー
ましろの手からいつの間にか、変身装置の白い小型機器を奪っていた奏。そうすれば、奏の足元から現れた黒い光が脚、腰、上半身…の順で奏を包み込んでいき、他のエクソシスト同様、白貴重のバトルスーツへ全身が変身し…ましろの手からいつの間にか、変身装置の白い小型機器を奪っていた奏が装置のボタンを押した。
「あっ!かなやんいつの間に奪っとったん!?」
そうすれば、奏の足元から現れた黒い光が脚、腰、上半身…の順で奏を包み込んでいき、他のエクソシスト同様、白貴重のバトルスーツへ全身が変身し…
「あっ…!?何でや…?!」
しかし、奏の変身は通常のエクソシストの姿と大きく異なっていた。だから、其れを目の当たりにしたましろは顔を真っ青にして震え出し。サキュバスは驚いたようで目を見開く。
何故なら戦闘モードに変身した奏の姿は、右半身は通常のエクソシストと同じ白貴重のバトルスーツ姿。だが、アドラメレクが封印されている左目がある左半身は、眼帯が外れ顕になった左目が真っ赤で、左腕は孔雀の羽になり、ラバの尻尾が生えていたから。
「ウ"ウ"ウ"ウ"!!」
ドパンッ…!
「グッ…!ア"ッ…!!」
バトルスーツへ変身した奏がサキュバスを攻撃。
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逢魔時奇譚【6話(19)】
「かなやん頭からもお腹からも、むっちゃ血ぃ出てるやん!!」
奏の怪我を前にしたら顔面蒼白になるましろは、床に着いている奏へ駆け寄り膝を着く。
「あ…、大丈夫…」
「大丈夫な筈無いやん!!こんなに…、きゃあ…!かっ…、かなやん…!お腹…!穴…空いとる…!」
手当をしていた両手を思わず引っ込めてしまうましろ。だが、奏は穴がぽっかり空いた自分の腹を見ながら平然としている。
「あー…凄く痛い…けど…僕…死なないし…」
「何で?!死なないなんて嘘やん!死なない人間なんて居らへんよ!?」
「…あ…」
ーー…そうだ…。綾小路さんは…僕が悪魔憑きだって事…知らないんだった…ーー
「今、うちが包帯で応急手当したら、うちの春日隊長呼ぶさかい!うちな、春日隊言うたやろ?ハラエ区で、かなやん達が戦っとるからうちの春日隊が加勢に来たんや!それに調度、かなやんに渡す物、元帥から預かってきたしな」
「それって…、これ…?」
奏が気になっていた白い小型機器を指差す奏。しかしましろがそれをパッ!と取り上げてしまう。
「ダメや!」
「…それ…って…エクソシストが…戦う時…変身する…器械…だよね…」
「だからダメなんや!かなやんが無事だったら今渡そう思うたんやけど、今の重傷のかなやんには絶対渡せへん!!渡したら戦うやろ!?だから、今はダメや!うちが瞬間移動で祓本部の医療室へ繋げるさかい、かなやん一緒に行くで!」
「…行かない…」
「何でや!?怪我治してもらわへんと!」
奏は顔を背ける。
「…だって…今日が…僕の…エクソシストとしての…初任務…だから…。逃げるなんて…したくない…」
「これは逃げるんやない!!怪我治さへんまま悪魔と戦ってたら、もう一生任務できへんくなるんよ!?」

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逢魔時奇譚【6話(18)】
ドガン!!噴き飛ばされた。…サキュバスが。壁に体をめり込む勢いで。目を見開いた奏の視線の先には、突然現れた円上の穴から、こちらへ両手を突き出している、白いバトルスーツを着た…
「かなやん無事!?」
「あ…、綾小路さん…!」
ましろだった。今、サキュバスを白い光で噴き飛ばしたのもましろ。ましろは自分の能力瞬間移動で駆け付けたのだ。

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逢魔時奇譚【6話(17)】
起こそうとした奏の頭をサキュバスは無慈悲に踏み付ける。頭をヒールでぐりぐり踏み付けるから、奏の頭から額へ血が滴り出す。
「さァてと。雑魚なお前の脳髄をぶち撒けてやった後はどうしようかなァ?!!人間の雌ガキの分際で、呪いを使わずともちやほやされて地位も男もなぁんにも努力をせずに欲しいモノ全て手に入って吐き気がする神堂由輝の顔を削ぎ取ってやろうかァ!?そうすればアイドル生命もお終いねェ!!調度アイドルを辞めたがっていたようだし、きっかけを作ってあげた私は感謝されるべきよねェ!?アハハハ!」
「…ゲームで出てきた敵サキュバス…は…」
「何?何をブツブツ呟いているのよ。気持ち悪いガキね」
「…人間や…蝙蝠に化ける…。だから…アンタも…取り憑いた人間の姿を借りてかるだけで…自分の本当の姿を…現さない…。…神堂さん…の容姿を…嫉妬する…。だって…サキュバスって悪魔は…醜い化物の姿をした悪魔だから…!」
「調子に乗るんじゃないわよ人間の分際で!!」
頭を踏まれながらも睨み付けてきた奏に、頭に血が昇ったサキュバス。

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逢魔時奇譚【6話(16)】
「かはッ…!!」
サキュバスから悪魔の尻尾が現れ、それは奏の腹を貫通。奏の口から赤黒い血がボタボタッ!と吐き出す。ドガン!ドガン!ドガン!!奏の腹に尻尾を貫通させたままサキュバスが体を右へ左へ捻れば、奏の体は壁へ床へ衝突。尻尾を貫通させられたままぶんぶんふり回されていく奏は更に吐血し、目は白眼を向く。
「がはッ…!!」
「アーハハハハ!私を騙そうなんて10000年早いのよ人間の雄ましてやガキの分際で!策は良かったけれどねェ。頭の悪い子だねェエクソシストォ?私の呪いがかかった人間は私の虜だから、私から口付けされそうになれば大喜びする。なのにお前は顔を背けた。お前のソレは呪いのかかった人間なら有り得ない行動なのよ!呪いがかかった振りをするなら、もっと上手くやりなさいガキんちょ!?アーハッハハ!!」
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