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お気に召すまま(2)

「僕が知ってる上手く行く方法、教えてやる」


薪さんが、恋愛話…?
ありえない…ありえなさすぎて、興味がある…。
二人は無意識に身体を乗り出していた。

「…恋愛にうといっていうのは、つまりは鈍いって事だ。思い辺りは?」

「あ、鈍いって、言われます…」

「自分も…」
「うん、鈍い奴でも簡単に女心を理解する方法がある、それは」

「「それは…?」」

「言葉をそのまま受け取らないこと」

言葉をそのまま受け取らない?
早速二人の頭上に?が飛び交うのに気付いて、薪はいたずらに微笑む。
「もし好きな子に嫌いって言われたらどうする?」

『もし僕に嫌いって言われたらどうする?』

脳内で自動変換されたそれは、二人を真剣に悩ませるには十分だった。
「…じ、自分は!何がいけないのかきちんと聞かないと納得出来ません!」

「俺は立ち直れないかも…どうしたらいいか」

「鈍い」
今時嫌いな奴にわざわざ嫌いですって言いに行く大人居るか?
普通、無視をしたり距離を置くだろ。
思考を占めているからこそ、そういう言葉で気を引きたくなるんだ。だから、逆に考える。
『気になってる』って事だ。

(そうか…逆に)
(逆に考えるのか)

「岡部」
「は、ハイ」
薪はテーブルに身を乗り出し岡部の目をしっかりと見つめた。
「岡部、お前はまだまだ頼りない。正直居なくたって僕はやっていける」

「…!?」
「ちょっと薪さ、なに言って…」
ショックで気絶しかけそうになった岡部の頭に先程の言葉が浮かぶ。
(つまり)
『岡部、本当は頼りにしてる。お前が居なかったら僕はやっていけない』
「……!!」
「お、岡部さん…?」
ガッツポーズ付きで天井を仰ぐ岡部には青木の声は届かないようだ。

「青木」
「え?ハイ!」
またも、薪はじっと目を見つめると。

「青木はちょっと強引で無茶をしすぎる、僕はそういうのは苦手なんだ。代わりはいくらでも居るし、さっさと女でも見つけて何処へでもいけ」

「薪さん…それ…どういう」

(あ)

『青木は強引で無茶もするけど、そういうのも悪くないな。お前以外考えられない、お前じゃなきゃやだ。他の所になんて行かないで』

側に居て。

「…〜!!」
青木は鼻血を吹きそうになり天井を仰いだ。
なるほどこうなると、岡部のポーズに凄く納得する青木。
((そうか…薪さんは))
素直じゃなかっただけなのか。

「僕の教えられるのはこれ位だな。頑張れよ。たまの定時の日位、予定立てられる甲斐性がないとな」

薪は飲み終えたコーヒーカップを持って、席を立つ。
「あ、薪さんもう帰るなら、自分が送ります!」
「いや、俺が」
そういってわたわたと立ち上がる二人に、薪は珍しく優しげな微笑を浮かべてこう言った。

「僕はまだ仕事がある。徹夜すれば片付きそうだから。先に帰れ。一人の方が気楽だし」

「「……!」」

『僕はまだ仕事がある。一人でなんとかする。お前たちに気使わせるのは嫌だし。ちょっと、淋しいけど…』



翌朝貫徹でこなした青木と岡部は、いつも通り出勤してきた面々を驚かす事となった。

しかしソファでくたばる二人の表情は、不思議と疲れていると言うよりも、幸せそうだったという。

「あ、薪さん、残業あったなら言ってくださったら良かったのに」

「いや、別に頼んだ覚えはない」

そういって優雅に椅子にもたれている彼の瞳の奥に、口許に、果たして打算が潜んでいるのかは、いつも誰にも解らない。

まるで魔法のように、気付けば彼の掌の上で遊ばれている。


全てはあなたの、お気に召すまま。


(終)

お気に召すまま(1)

青木×薪+岡部、R指定なしですが、ややグレー?
甘いです。薪さんが別人。


お気に召すまま



仕事が一段落し、随分と久し振りな定時帰宅に、皆自然と顔がほころんでいる。
食事に行くか、飲みに行くか、たまには女の子を呼び出して急なデートも悪くない。

至って健全な青年達は、いそいそと帰り支度をし、第九を後にする。

残るは『不健全』な青年達…。


いかめしい顔をした彼は、もう仕事は終わらせているものの、なにやらそわそわと椅子に腰掛けたまま。


眼鏡に長身の彼も、同じく落ち着かない様子でモニタールームをうろうろ。


二人の視線の先にある扉の奥には、もはや青年どころか少年にも見える、彼。


沈黙が続く。

生憎二人の思う所は同じなのだが、どちらとも口をつぐんでむっつりと黙っていた。

『なんでお前まだ帰らないんだ』

その一言が言い辛いのは、互いに居残っている理由が不健全だからに違いない。

(だって今日はせっかく定時終了なんだし!薪さんと久々に外食したい…最近先に帰ってろばっかりで…)

(薪さんを送りがてらちょっと飲みにでも誘おうと思ったのに…いや断じてやましい意味ではなく…)


「……」
「…岡部さん」
「…なんだ?」
「いえ…」

((ああ、いくらなんでも邪魔とはいえない))

いい加減この微妙な空気に痺れを切らしてきた時、見計らった様に二人の目の前の扉が開いた。


「あ」
「ま、薪さ」
「…お前ら、まだ残ってたのか?」

話声も全くしなかったから、誰も居ないかと思ったのに、と少し驚いた様子で薪は二人の近くに歩みよる。

さぁ、共にアフターファイブを過ごす事ができるのは青木か、岡部か。



「コーヒーでも飲むか?」


まさか、こんな展開になるとは思わなかった。
二人の顔を無表情で見渡して、薪は少し考えた後にコーヒーを飲もうと言ったのだ。
『アフターファイブに第九でお茶』も如何なものかと思いつつも、そこは従わない訳の無い二人だ。何処からか茶菓子まで出してきて、あっという間にティータイムの準備が整ってしまう。

休憩室のテーブルを3人で囲むと、なんだか変な緊張が走った。

(さ、3人で何を話せと…?)

薪は涼しい顔でコーヒーを飲んでいる。
先に沈黙を打破ろうとしたのは青木だった。
「今日は珍しく定時だから…皆さっさと帰っちゃいましたね」
「…ああ」
(ああって…終了…?どうしよう!)
「い、今井なんてデートだとか言って慌てて帰っていきましたよ、あいつも中々やりますね」
「そうか」
(……き、機嫌悪いのか薪さん…?)

なんだか何を言っても口を滑らせそうで、青木と岡部は冷や汗をかきながら黙るしかない。

「…岡部は?」
「へっ?」

デートとか、ないのか?

意外な所に食いついた薪に、岡部は動揺を隠せない。

「いやあの、自分は全然そういうのは…!」
「ふぅん、めぐみさんは?」
「だからあれは誤解ですってば、知りませんし、彼女も今は居らんです」

「全く…浮ついた話の一つや二つないのか、いい年して」
「い、いい年…」
(薪さんに言われたくな…というか現に今浮ついてます!なんて言えん…)

「じゃあ青木は?」
(ええ〜!ちょ…っ薪さん!じゃあって何…カップル、俺達カップルでしょ?!)
まさかの無茶振りに青木も動揺が隠せない。
「え、あ、はは…、俺そういうの疎くてですね…」

「お前ら仕方ないな」

((誰のせいだと…?))

運命の予感

青木×薪、R指定なし、また雨です、雨大好きみたいだなぁ(笑)



運命の予感



誓いや約束がなんの意味を持つだろうか。
それは本当に人の心を一つ所に定めておくだけの力はあるのだろうか。

目に見えないものは、信じない。
僕はいつからかそう思うようになっていた。



駅の改札を出て、暗くこもった地下街を通り、ようやく地上へ出る。鉛色の空から、生温い風が吹いていた。
肌にじめじめと纏わりつくような感覚に薪は顔をしかめる。


会議が思ったより早く終わったから、まだ明るいうちに第九に戻れるなんて思ったのが甘かった。この時期の夕方の天気は酷く不安定だという事を、失念していた。

(やっぱり迎えに来させれば良かった)

たかが2駅だと、わざわざ車を寄越させるのを面倒に思って、連絡も入れずに電車に乗ってしまった。

空はたっぷりと水分を含んで、今にも泣き出しそうで、自然と足を早めた。
大体駅から第九までは早足でも20分位ある。決して近いとは言えない為、普段はほとんど車で移動する。

たまには歩くのもいいけど。こんな天気じゃ、歩いていたってちっとも爽快になりやしない。


急ぐ薪を嘲笑うように、ぽつりぽつりと雨粒が落ちてくる。

(あ…くるな)

薪はとっさに手近に見えたビルの入り口付近に移動した。
見計らったように、バケツをひっくり返したような大雨が、街を包む。
独特の熱をはらんだ、むせ返るような雨。

こうなってしまうと、もう止むまで身動きが取れない。
もはや顔をしかめる事も忘れて、ただただ、ため息と共に落ちてくる膨大な雨粒達を眺めた。

こういう時、人は心細くなる反面、勇ましくもなる。
ああもう、濡れたっていいから、走って第九へ向かってしまおうか。
ぐずぐず雨上がりを待つのも嫌だし。


「…薪さん?」

こういうのを、ドラマティックと言うんだろう。
もし僕が女の子だったら、きっと口に手を当てて頬を染めるシチュエーションに違いない。

そこには大きな傘をさした青木が、買い出しのビニール袋を下げて立っていた。

「こんな所で…会議は…」
青木は、雨を辛うじて避けて立ちすくむ薪に心底驚いた様子だった。
「おまえこそ…こんな所まで買い出しか」

「頼まれた物が近くのコンビニに無くて…探して来いって、いやそんな事より…」

青木が差し出した手を薪は黙って握る。

相合い傘だ。

さっきまで疎ましくて仕方のなかった雨は、今はカーテンのように二人をつつんでいた。
「ふふ、なんか奇跡的じゃないですか?」
「なにが?」

だって、俺が偶然今の時間に買い出しを頼まれて、偶然いつもと違う店に行って、帰りにあなたに会うなんて。
すごい確率だと思いませんか?

肩を寄せて歩いているから、はっきりと表情を伺う事は出来ないけど、青木の声は凄く楽しそうだ。

「偶然だ」

「そんなー、結構感動したんですよ、あなたを見つけた時」

僕だって驚いた。
でもそれをロマンティックだとか僕が騒ぐと思うのか?

「たまたま僕があの場所で立ち往生して、おまえがそこを通り掛かっただけだろ」
「はい、そして大雨で、こうやって今一緒にひとつの傘で歩いてます」

「うん」
それだけだ。

「ただ偶然近い距離に俺が居て、あなたが居て、雨が降った」
「そうだ」

「だから今こうして並んでる」
「…?そうだ」

「実験と同じです」
「?」

決まった物質を、決まった条件で合わせると、決まった反応が出る。

「こういうのなんて言うか知ってます?」
「化学反応」
なんとも薪らしい即答に、青木は苦笑する。
「こういう定まった巡り合わせの事、運命って言うんですよ」

運命?

「あなたが居て、俺が居て、起こる全ての事は運命なんです」

「運命…なんて」

悲しい事からも逃れられない、運命ってそんな響きだ。

薪が少し目を伏せたのを青木は見逃さない。繋いだ手に少し力を込めた。

「定まっている、訳ではなくて、選んでいく結果だと思うんです」
「…選んでいく」
「例えば、こうやって俺はあなたの手をきつく握りたくて、握りますよね」
「うん」
「あなたはそれを握り返してくれた」
それが運命。


俺が選んだ選択肢に対する、あなたの反応のひとつひとつも運命なんです。

「それなら…」

薪は背伸びをして、青木の頬に軽くキスをした。
「こうしておまえの顔が赤くなるのも運命」
「…そうです…けど」
心臓に悪いんですけど、と青木は俯く。

「こういう運命ばかりなら、楽しそうだな」

目に見えない物は信じない。
だから神はいないし、霊もいない。
けれど、目に見えないから愛はない、なんて悲しすぎる。

運命が、何かを形にしていく事なんだとしたら。
「こういう運命を繋げていけば、おまえとずっと一緒に居られるかな」

「え?」
ひときわ大きくなった雨音のせいで、薪の言葉は青木の耳に届かなかった。

「なんて?」
「何でもない」
「なんですか聞こえなくて」
「…そういう運命だったんだろ」

青木のふてくされる顔があまりに愛しくて、おかしくて、薪は笑ってしまう。

どうしてこんなに幸せで、こんなに楽しいんだろう。
さっきまでは憂鬱で、早く帰りたいばかりだったのに。
おまえと居ると。


『あなたが居て、俺が居て、起こる全ての事は運命なんです』


(終)

perfect lover(2)

後日、忘れた頃にそれはやってきた。

いつもは興味をそそられない物でも、多少自分達が参加すると目を通したくなるもので、第九の面々はこぞって会報をめくる。

「あった。このページ…だよな…」

『特集!みんなが知りたい第九の恋模様』

あまりに俗物っぽい…というか、いつからみんなが知りたくなったんだろう…。
というかみんなって誰だろう…。
「ま、まーこうやって明るくクローズアップしてくれると、第九のイメージも良くなるかも?」
曽我らしいポジティブな発言に、表題を見て思わず固まった皆も気を取り直して記事を見つめる。

「なになに…多忙を極める第九の職員、実はこんな子がタイプ!」
「やばいな、結構適当にかいちったよ…」
「これの影響で誰かに告白されるとかは無いと思うぞ」
というかどれが誰の解答か判らないんじゃ、影響され様もないだろうに。ニーズはあるのかと非常に疑わしい記事だが、明るい文面を見ていると編集者はそれなりに乗り気で作った事が伺えた。
「っていうか…この写真はどこで入手したんだ?」
まず一同は記事に挿されている写真に驚いた。
そこにあるのは我らが室長の姿だった。
決して笑っては居ないものの、誰かと話している最中の様だ。
隠し撮りか…?いや、有り得ない…出元不明の写真。
「薪さん怒るんじゃないのかこれ…」
「うーん…なんか薪さんの為の記事みたいだなぁ。あんだけキツくても結構ファンは居るらしいし」

あの薪が、アンケートなど解答したのかも激しく疑問だ。
「とにかく見てみますか」

『家庭的な子/(編)やっぱり料理の腕は大事?日々の練習が物をいう!』

「あはは、いちいちコメントが付いてますね、面白いなぁ」
「面白くねーよ!俺なんでグラビアアイドルとか書いちゃったよ!」

ばしばしと突っ込まれながらも、青木は楽しみながら読み進めていく。
(俺のは…あった)


『瞳がきれいで、賢くて、普段は気が強くても時々弱みを見せてくれたりする、可愛い人』

(編)理想というよりも、もう恋人が居らっしゃるようですね!こんな風に好かれたら素敵です。

「なんだコレ、青木か?お前いつの間に」
「いや…あはは」

しまったちょっと具体的すぎたかもしれない、青木は照れくさそうに頭をかいて誤魔化す。

「こっちも負けてないぞ、ほら、これ」

そういってにやにやと指差された記事を見る。

『背が高くすらっとしている人、素直で笑顔が似合う、放っておけないタイプ』

(編)難しいですね、こちらも既に恋人あり!という感じです。


…これは。

「誰だこれ、よっぽど彼女が好きなんだな」
「限定されちゃってますよね、今の恋人が理想って事ですよ」
「いいなぁ〜」

「……」
皆にやにやとした視線を交わす中、青木だけが固まっていた。

だってこれは、多分。
(俺の事…だよな)


まさか薪さんが解答してたなんて…。
いつの間に?


「放っておけない…か…」

思いがけず紙面で交わされた告白に、青木は必死に緩む頬を隠した。


『理想の恋人は、どんな人ですか?』


(俺より料理が出来なくても)
(僕より気が小さくても)
(俺より仕事が出来ても)
(僕より背が高くても)
(それでも)

一番に浮かぶのは…。
ありきたりな理想が浮かばないのはきっと、理想以上にあなたが素敵だったから。


(終)

perfect lover(1)

青木×薪、R指定なし、3000HIT御礼のつもり…です。こんなでスミマセン!


perfect lover


『理想の恋人は、どんな人ですか?』

優しい人、と答えるたは、いつのアイドルのだっただろうか。
まぁ理想は理想なんだから、いくら贅沢言ったっていい。
価値観の合う人だとか、家事が完璧に出来る人だとか。
誰にでも少し位は理想があるものだ。

まだ若く働き盛りの青木だって例外ではない。

手元のアンケートを見ながら、青木は先程から首を傾げていた。

「なんですか…?これ…」
「青空だよ、青空」

岡部はモニターから振り返りもせずに投げやりにそう言った。
「青空…」
「ほら、薪さんの笑ってた写真一緒に見てたろ?あれだよ」

「たまーにそういうアンケートもやるんだよな。第九の男共は未婚が多いからな、少しは色気づいたらどうだって事かな」
同じくアンケートを眺めていた今井が呆れた様に呟く。

「はぁ…」
青木は更に首を傾げる。もしこのアンケートにそういう意図が潜んでいるなら、第九はお門違いというか…。
「彼女なんて出来てもすぐ別れる事になっちまうしなぁ、なぁ小池」

「今井さんはその辺上手くやってそうじゃないですか」
「いや、安定ってやつに憬れるよ俺も」

男達のぼやきを聞きながら、青木はペンをくるくると回していた。
(理想の恋人って言われてもなぁ)

青木の脳裏には例のあの人の姿しか浮かばなかった。

(うーん…なんて書こう)
必死頭の中で『彼』の特徴を思い描く。
理想の女性を書いてみる、という発想がすっかり消えてしまっている辺り、もう末期な感じである。

「青木随分悩んでるな…適当に書いときゃいいんだよそんなの」
どうせ事務の連中のお遊びだぞ?
「曽我さんもう書き終わったんですか?」
ほれ、と差し出されたそれをしげしげと見つめる。

『可愛くてグラビアアイドルみたいな子』

「……」
「なんだよその軽蔑したよーな目は!」

「参考にならないので皆さんの見せて下さい」
青木の手元に皆のアンケートが集まる。匿名性なのでどれが誰のものかは編集者には判らない。
『家庭的な子』
『仕事を理解してくれる人、優しい人』
『清潔感のある清楚な子』

なるほどこういう風に書けばいいのかと青木は納得する。

アンケート自体にはさほど関心はないけれど、こうして自分も参加するという事で、『第九の一員』であるという連帯感を感じて、青木は少し嬉しくなる。
(いつかは薪さんと一緒に笑顔の写真が載るといいんだけどなぁ…)
まだまだ遠い夢だろうか、そんな事を考えながら、書き上げたアンケートの束を、事務の女性に手渡す。


「ご協力ありがとうございます!来月には皆様にお答え頂いたアンケートも会報に載りますので」
是非見てください!

爽やかに去って行く事務員の背中を見送ると、青木は再び山積みの仕事に取り掛かるべくデスクへ戻った。

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