光る手と土と緑(改)

2024/ 3/ 11
自分の命は

東日本大震災のあの日から、そんなに時は経ちましたか


あの日の夜はとにかく寒かった


テレビで各地の追悼イベントやらなにやらの放送をしていました


その続きのコーナーで、先生が生徒たちに災害時の心掛けを解く様子を放送していました


「自分の命は自分でまもる!」と言っておられました


その言葉を記憶したとして、いざ再びザブンと津波が来たとき、生徒達は行動に移せるだろうか?


とにかく早く逃げろ!って事を教えていたのかね?


思えばあの日、日本海側の生まれであったオレは向いにあった床屋の人がその家族に

「津波が来るから急いで逃げろ!」と叫んでいたその言葉を聞いてハッと我に返った


しかしながら、小学生に早く逃げろ!だけでは教育に不備がある


もっと具体的に。もっと現実的に。


友達が避難中に転んで怪我して泣いていても先に自分は逃げる


停電で信号が消えていても無理やり道路を横断してとにかく逃げる


わざわざ校庭に集まって、点呼なんかしてないで我先に逃げる


そうして生き延びたとしても、それを薄情だとか法律違反、ルール違反と咎められたりはしない

まずは生き延びること

そこまで詳しく教えてやらねば


あの混乱を目の当たりにした経験から、そこまで具体例を出さねば小さな子供は後から咎められる事ばかり気にして絶対に動かん


かの朝倉宗滴は

「武士は 犬とも言へ 畜生とも言へ 勝つことが本にて候」と言った


犬畜生と罵られようが、戦って勝つことが武士の大事な目的だ

それと何となく似ている


後からなにを言われても、とにかく逃げて生き延びるのが大事


事実、我が社ではあの日、何かを思って事務所に居続けた人と

会社の車を避難させようとして事務所にわざわざ戻った人がいたが

その2名は未だに行方不明者である

13年経って、骨のカケラすらも見つからない



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