ティート君がマグナス家の一員に!
とか書くと結婚かと誤解を招きそうですが、まだ同居の段階です。
小娘としてはドキドキものです。
でも微塵も嫌ではないというジレンマ。
恋する乙女は複雑なのです。
椅子が18脚もある一般家庭。
片側に9脚ずつという並びですね。
貴族の食堂みたいですが、まぁ元が宿屋なのでこのくらいの広さはね?
最初に小娘がエスコートとして椅子を引いたのは、ティート君の正面に座りたかったから。
そして妖精達がティート君が座るのを待っていたのは、妖精とはいえ女子がティート君の横に座るのを避けるため、です。
ちなみに小娘も含めて、誰も座る位置が決まって居なかったりします。
ブラウニー達は自由奔放なので、普段は好きな所に座るからです。
唯一、シルキーだけ列の中で端の席と決まっていたりしますが。
これは席を立っても邪魔にならない、そしてスムーズに動ける位置だからです。
常にメイドとして動くのを心掛けているからですね。
シルキー、優秀なんだか何なんだか。
ここでちょっとだけQ&Aのコーナー。
Q:マグナス家は食事当番とか決まっているの?
A:朝はシルキーかバンシーが担当する事が多いですが、昼や夜は小娘もよく手伝います。これは朝の食事中に昼と夜の献立を相談するから。
Q:ブラウニー達は食後に何してたの?
A:お店に怪しい人が侵入してないか、店の在庫に欠品が出ていないかを見て回ってました。
尚、今日お風呂を沸かしたのはロールで言った通りブラウニーの一人です。
Q:シルキーがティーセットを用意したり、着替えを風呂場に持っていったのは何時?
A:着替えはティート君が自室から離れて食堂に集まるまでの間、ティーセットは食器を片付けている最中に持っていきました。ロールでシルキーが片付けをしていても、食堂に帰ってくる描写をセットにしなかったのはそのためです。ティート君が食器を運ぼうとした時に帰ってきてバッティングした訳ですね。
以上、プチQ&Aのコーナーでした。
あ、グリーンスネーク・カクタスの亜種のデータを追記に書いておきます。
グリーンスネーク・カクタスの項目に直接書き加えるのは、少し様子見ですね。
めっちゃ長くなりそうなので。
三鉢あるので、一つは自分で、もう一つは約束した通りティート君へ、もう一つは……何かロールが噛み合えば何方かに譲る、という事になるかもですね。
その辺りの予定は未定ですけれど。
最後になりましたが、ティート君、そして背後の蜂鳥様、夜分遅くまでお相手して頂きありがとうございました!
これからも小娘と仲良くしてやってくださいませー。
【シルバースネーク・カクタス】
南世界の研究所で人為的に生み出された新品種である『グリーンスネーク・カクタス』がティランダリアの湿地帯に根付き、独自の変化を遂げた新種。
開花時期が近付くと全体に細かな毛が生え、その毛が光を反射し銀色がかって見えることから名前を付けた。
・概要
原種は森林性だったが、湿地に根付いたことにより湿地性の耐寒常緑多肉植物へと変貌。
耐寒温度も−50度まで向上するに至った。
多年草で種からも株分けからも増やせ、性質や栽培のしやすさ、大きさなどは原種と変わらない。
ただし湿地性のため乾燥に弱く、数日に一度はたっぷりと水分を与える必要がある。
開花時期は冬、それも寒さの最盛となる1月中旬頃から2月中旬に掛けて。
ただし南世界では滅多に開花に必要な気温に達しないため、花を見ることは極めて稀。
・花
花芽から凡そ10日、蕾から1週間ほどで開花する。
開花時期になると蕾を除くサボテン全体に微細な毛が生えるため、見逃すことはないだろう。
光沢のある銀色の月下美人に似た花を咲かせ、甘酸っぱくも爽やかな香りを放つ。
原種と同じく火を通しても香りが残り、下拵えや調理、利用法も原種と変わらない。
・果実
白灰色の堅い外皮に包まれた、ドラゴンフルーツの表面をつるりとさせたような外見の果実。
開花後から収穫まで凡そにして30日前後。
熟した目安は、果皮の表面に六角状のヒビ割れに似た模様が浮かび始めた時。このヒビ割れが果皮全体に浮かぶと、自然に落ちる。
果肉は生食が適切。白くもっちりとした瑞々しい果肉は酸味が少なく、強い甘みとライチにも似た香りを放つ。白い果肉の中には、非常に小さな黒い種がぽつぽつと混じっている。
・葉(茎)
原種と異なり、澄んだ翡翠色をしている。
厚く平たい形状、堅くすべすべとした肌触りは原種と違いがない。
葉肉は半透明で香りはないが、本来であれば冬の間だけ持つ強烈な甘さが常となっている。また酸味はほとんどないため、シロップやアルコールの原料、砂糖の代用品としても利用できる。
冬開花時期になると全体に細かな毛を生やすが、これは寒さから身を守るためではなく、より多くの日光を浴びようとしているから。
・根
基本的には原種と変わらず、葉と同じような色合いをし、ゆるやかに巻いている。
違う点があるとすれば、根にも大量の糖分を貯えることだろう。
サトウキビのように表皮を削って噛めば、甘い蜜を味わうことができる。
・栽培についてなど
熱帯地域でも問題なく栽培できるが、寒い地域の方が失敗は少ない。それこそ雪に埋もれるなどの環境であれば、陽を求めて必死に葉(茎)を延ばし、栄養を貯える。また休眠するということがなく、非常にタフ。ただし乾耐性だけは原種より劣り、過度に水分を失えばすぐ枯れてしまう。植え替えの際には注意が必要で、素早く移し、たっぷりと水分を与えなくてはならない。
反面、どれだけ水分を与えても根腐れすることがない。これは湿地帯という高温多湿な環境に適応するためだと推察できる。
水分にさえ気を付ければ、非常に環境適応力の高い種と言えるだろう。