△夕暮れの約束(慶龍side)△
鎮也さんは、皆から「ターミネーターだ」なんて呼ばれてる。
もちろん鎮也さんの知らないところで。でも、きっと、鎮也さんは気付いているんだと思う。
俺も、正直、ここの基地に配属されて初めて鎮也さんを見た時に、それと近しいことを感じた。人に対して隔たりを作っているわけではないのだろう、でも、無意識か意図的か、誰も近づけないようにしている雰囲気があった。
そしてそこから感じる僅かな哀愁…。
今でも忘れられない。
それに気づかぬ皆は、鎮也さんを「怖い」という言葉で表しているけど、俺は、そういう風には思うことができなかった。
仕事や休憩の合間、同じ部屋で共に過ごす時間、「あの日」まで、挨拶以外の言葉を交わすことなどなかったけど、なにか、なにか…いつも気に掛かることがあった。
それが、あの、うら寂しげな瞳。その鎮也さんに、僅かでもいい、なにかできることを見つけたくて、キッカケを得るために、俺は「あの日」の夕暮れ時…。
「DIARYか…」
あれ以来、いろんなことを、少しずつ交わすことができるようになった。
今であれば、音楽のこととか。
「…また…また、一緒に聴こうな…」
ふとした時に、優しさを感じる。無機質な瞳が、柔らかな温もりあるものへ。
でも、その温もりは儚くて消入りそうで、貴方のそんな優しい心根が植わる大地は、一体どんなものなのだろう。そして、今、あなたの心は…。
微笑みの中に、少しだけ
哀しみを感じた、そんな日の話。
(鎮也さんside→「夕暮れの約束」)
「DIARY」
上北健:youtu.be
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「こころわけ」では、慶龍と鎮也さんとで同じ記事を上げることがあります。
でも、人の心は十人十色。
同じ時間と場所を共有していても、気持ちや感じていることは必ずしも一致するものではありませんね。そういった違いをちょこちょこっと、お互いに加えていますので、鎮也さんsideも一緒に見ていただけたら幸いです。
今回は、慶龍と鎮也さん、二つのお話を読むことで繋がりがより深まるのではないかと思います。
Rinaちゃん、ふみやんありがとう!
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