4月の貴方と



 4月10日(月)
朝、たまたま通りかかった鎮也さんと目が合った。鎮也さんは立ち止まって挨拶をしてくれた。
俺はその鎮也さんの優しさが嬉しくて思わず頬が緩んだものだから、床に向けた顔をなかなか上げることができなかった。
鎮也さんはそんな俺に少し戸惑っているようだった。
遠のく足音が心なしか寂しそうだった。

 4月12日(水)
休憩時間、ひとりベンチで寛いでいる鎮也さんを見つけた。
鎮也さんは、そういつも、ひとりで居ることが多くて、尚且つしゃんとしているように見えるけれど、俺が鎮也さんから感じるのは、寄る辺の無さ……。
今日は、思い切ってその背に声をかけた。そして、自販機で買った飲み物を渡した。鎮也さんは優しく微笑んで受け取ってくれた。
時折見れるこの表情を、俺は大切にしたいと思う。
……
どうやら鎮也さんは甘いものが好きらしい。
次はお菓子でも持っていこうかな…。

 4月21日(金)
最近は仕事の合間、休み時間等を、鎮也さんと一緒に過ごすことが多くなった。
誰かと同じ時、同じ物を、自らの意志で共有することは、俺にとっては不思議な感んじだ。
でも、鎮也さんを見かけると、俺は声を掛けずには居れない。
そんな今日、気付いた事があった。
金曜日、給食がカレーの日だ。
鎮也さんの目が普段よりもキラキラして見えた。
なんだか子供のような、楽しそうで…柔らかい。
特に話をしたわけではない、でも、雰囲気だ。
先週は分からなかったのだが、カレーも、鎮也さんの好きな食べ物なのだろうか。
(もりもり食べてて可愛かった)

とてもとても小さな変化だけど、日々そういったものを感じる度に、俺は嬉しく思う。
明日も、また明日もと、鎮也さんの心根に触れたいと望んでしまう。
俺の思い違いかもしれない、どうだろうかと尋ねる勇気もないけれど…。
それでも感じるものから、俺は鎮也さんの為にできることを探したいと思う。

鎮也さんside→「四月のあなたと

話題:コラボ
「こころわけ」
鎮也さんと慶龍

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「こころわけ」では、慶龍と鎮也さんとで同じ記事を上げることがあります。
でも、人の心は十人十色。
同じ時間と場所を共有していても、気持ちや感じていることは必ずしも一致するものではありませんね。そういった違いをちょこちょこっと、お互いに加えていますので、鎮也さんsideも一緒に見ていただけたら幸いです。

今回はお互いに日記風に描いてみました。
4月のお話ですが、確かにその4月にあった出来事だったりします。この関りから色んな出来事があったなぁとしみじみ…。

Rinaちゃん、ふみやんありがとう!


Thank You!
 +分ち合った日々+*08/27 19:13
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