イタミ

支部にて、BSDの小説を書きました(´∀`)
ここでも、載せます(´∀`)

燐寸が重くのしかかった。
煙草を口に銜えた青白くなる唇。
指に力が入らなくなり、煙草が落ちた。
硝子の床なので微かな音でも耳に鳴り響いた。
ステンドグラス越しから月の光が差し込み、より一層彼を見ることが出来た。満足そうに微笑んでいる。
ー‥天を仰いで、目を閉じた。


喪服を身に纏った私は、白い花束を持ち名前が書かれていない墓標へと足を運んだ。潮風が心地よい。横浜を一眸出来る丘だ。幾つか新しい墓標が並んでる中で、そこに目掛けて歩いた。風が顔を何度も撫でながら、白い花弁がふわりふわりと舞い落ちる。
着いた先で、頬が緩んだ。胸ポケットからそっと物黒写真を出し、「写真、ここに置いておくよ」墓標に置いた。最初で最期の酒場で撮った三人の写真。もう過ぎていくことも、戻ることもできない時間の中に、決して消えることはない笑顔が刻まれていて、とても気に入っている。これを捨てることは決して無いだろう。
写真に映った三人にしか分からない洒落た言葉を墓標に向かって手向けた。
私は、何時間居たのか判らず、永えに立ち尽くしていた。

暫くして、「帰るぞ」と相棒の声で、漸く首が振り返る事が出来た。ー‥困り果ててしまった相棒の顔がきっとそこにあると予測したが、そうでも無かった。大概、予測と予想等と云った類のものは外れないのだけれども、深妙な面持ちで私を見ていた。
「‥‥」
「おい‥手前‥泣いて‥」
辛気臭い顔がまた面白いなぁ。普段の私なら茶化し、翻弄し相棒の機嫌を悪くさせていたことだろう。だが、空気を読み取った相棒は何時もの吼える声も落として、愛用としている帽子を脱いで、彼の墓標を見てから目を瞑った。
「‥惜しい人を亡くしたな」
亡くなった友人の身分は下級構成員だが、相棒‥中也も彼の実力を認めていた。
「うん、彼はとても凄かったよ。‥最期も素敵だった」言葉とは裏腹に溢れてくる涙で微笑を浮かべたらしく、中也は私を見て云った。
「‥泣くか笑うか何方かにしろ」
中也は、私の頭にお気に入りの帽子を被せた。
「‥ちゅーや、爪先立ちしんどくない?」
「あ゛ぁ゛ん?五月蝿ぇ!帰るぞ」
私より低い背丈をしているので頭を撫でやすかった。彼の癖を真似をして、中也の横を通り過ぎ歩く。
「ちょ、手前ぇ何処に行くんだ?」
「・・彼との約束を果たしに行くよ」
私は、手を振り歩いた。

丘を下り、中也の愛車を通り過ぎた。
街並みを歩いた。賑わう夕方の街。
夕焼けの空は、相棒の顔よりも墓碑に睡る彼の顔を思い浮かべた。真っ赤な其の髪は血の色より艶やかで、炎よりも温かなもののように感じた。彼から醸し出す空気は、物静かだったけれど、内に秘めた情熱は感じとれた。彼には人には云えない夢があった。
人を知り物を書く事だ。
小説家になる事。
其れが彼の夢だ。
私には無い夢だ。
やりたい事など何も無い。
唯、自殺しようとした所、首領に助けられ運命共同体になりマフィアになり、人が足掻く姿を淡々として見ていた。何人もの命の灯火を消していた。今更此の手が、人を救えるものだとは思えない。だけど、彼は私の頬を優しく持って「聞け」と云った。
「聞け」
其の声は力強く魅了した。
「人を救う側になれ。其の方が幾分かは素敵だ」
彼が云った。
耳に焼き付いて今でも消すことはできない。

ふと、服屋に並ぶ服をみた。縞模様のシャツと砂コート。彼が着ていた服に似ている。
泣いていたらしいのに、ショーウィンドウに映った私は微笑っている。目を閉じ流れる様に店に入り、息する如くに其れを手に取り、試着室で着ていた。カーテンを開けた。
「お客さん、お金、お金」
「あ、判った・・・ん!?しまった。私としたことがお金がない。如何しよう、あゝ誰か此の憐れな私に御恵みを」
普通に、盗むことは出来た。
買えるだけの所持金はある。
然し、如何も此の服だけは、人殺しのお金で買いたくなかったのだ。
「一寸、お客さん。困るよ。返してくれるなら警察に通報しないけど」
まぁ、世の中はそんなに甘く無いか。
脱ごうとした時。
「では、僕が払ってあげようかい?」
巫山戯ていたら、銀色の髪の少女がやってきて会計をしてくれていた。
「見目麗しいお嬢さんに払って貰うのは流石の私でも気がひけるよ」
「其の御金で、其れは買いたくないんじゃないかい?」
「勘のいい娘さんだねぇ。君は、だぁれ?」
「名乗る者でもないよ。通り過ぎの小娘だ」
彼女は素早く支払って外に出た。
「おーい、待って。せめて御礼がしたい」
「無一文の人間失格に何が出来るんだい?」
「うっ・・鋭い刃物の様だ。矢っ張り、私の事を知ってて近付いたのかな?」
銀色の髪の少女はふふと花のように笑った。
不思議な少女だ。額に三日月の跡がある。
「君の友達は殺さずのマフィアだったね。僕は、彼に助けられた事がある」
知らない情報だ。織田作に助けられた少女の話は、竜頭抗争の話でしか知らない。
「へぇ、実に興味深い話だね。此の服は、織田作への恩返しかい?」
銀色の髪の少女は優しく微笑んだ。
「そうかい、彼は織田作って云う名前なんだね。教えてくれて有難う。御礼は其の名前で十分だ。・・・ああ、後。放浪する前に彼の家を訪ねるといいよ」
服の御礼も兼ねて私は彼女の詮索をする事はしなかった。全てが私らしくなく、謂れるままに織田作の家へと赴いた。

私は、織田作の家に入った。
玄関、台所、洗い場に立てかけてある珈琲割賦。机・・ーそう云えば、バーが閉まると3人でこの卓で一緒に二次会をしたな。私が作る料理は不評だったけれど、織田作の作った料理は好評だったな。私はくすくすと笑いを込み上げながら、焜炉に乗ってある鍋に触れた。

「厭だねぇ。現実から思い出になる瞬間なんて」

黒装束を羽織った私は、思った事を口には出せない。人の前でも絶対云うことはないだろう。彼の墓標でも云えなかった。
洗面所の髭剃りも、珈琲割賦も其処には彼の生活があって。目を瞑ると、織田作が珈琲割賦に珈琲を入れて飲んでたり、髭を剃ってる。
目を開けて。
目を瞑って。
目を開けて。
何度も同じ事を繰り返して。
彼が此の世にいないのは嘘なんじゃないのかなぁと勝手にそう思う。
喉が痛い。どうか私を楽に死なせて。

彼のお気に入りのスペース。書斎に入った。
残念ながら海は見えない窓。
竜頭抗争で拾った子ども達が育ったら、海が見える場所に移ってただろう。
私は織田作の書き途中の原稿に触れた。
其の題名は書かれていなかったけど、読み入ってしまった。
何時間経ったのか判らない。
彼が描いた空想の世界にお邪魔したのは初めてだった。私は何かを見て感動した事は余りない。微笑っていても心の奥底では情緒が軽薄してる事は理解している。物語の着想や、理解力が勝って感受性には乏しいと思ってる。小説を読んで泣いた事はない。
だけど、雫が落ちた。
原稿が濡れた。
インクが滲んだ。
指が震えた。
紙が皺になった。
視界が暮夜けた。
鼻腔に水が溜まって、また視界が戻った。
親指の爪だけしか視界には入らなかった。
嗚咽した。
あゝ私。泣いてるのか。
中也に云われなくても今回は判った。
だけど、如何して泣いてるのかは判らない。
物語を読んで泣いたのか。
物語が途中で悔しかったのか。
物語が面白くて泣いたのか。
私には理解し難く、判らない。

ただ、最後の原稿の下に包装された箱があった。私の名前が書かれていた。
どうやら、私宛らしい。

もう一度彼に逢いたくなった
其の思いだけが募っている。

開けると其れはーー。


あっというま

三連休なんてあっというまさ笑

最近、smuleしすぎて低速ギガになる笑

こんにちは。三連休ですね!
毎日子供と接してるので体力がついたと思います。10時から19時がっつり働きますわー!

話が変わって、最近ですね、カラオケアプリsmuleにハマってまして、歌を歌ったり声劇するのが凄く楽しくて仕方ありません。これを機に滑舌よくなりたいなぁ。
そうそう滑舌よくなりたいので、月に一度朗読会にも参加するようになりました。
滑舌と発音悪いから、アクセント辞典が欲しい。

アプリSmule

アプリSmuleにハマっています^_^
コラボして歌ってます^ ^
興味ある人は、一緒に歌いましょ笑

認定子ども園

郵便局で働いていたんですが、NGOの募金活動に募金した時、子どもの為に仕事したい!と思い
この度6月5日から郵便局を辞めて認定子ども園で働くことになりました(^^)
幼稚園教諭の資格を持っているので、子ども達を指導したりお世話したりと楽しいです。
しかし、楽しいだけじゃなく言葉を選んで声をかけるのは難しいし、体力ないので毎日疲れて帰ってきます。
今まで、色んな職種をしてきましたが難しい仕事だけど、子どもの笑顔の為に頑張ろうと思える職場です。
足が崩壊しそう。体力ないなぁ(~_~;)
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