EMOTION


話題:ああ…やっぱり



24年前の5月13日は姉の産まれた日でした。2013年の5月13日は壱の命日になりました。

命は一瞬で消えるけど産まれるのはとっても難しいんです。姉ちゃん、産まれてきてくれてありがとう。壱、うちに来てくれてありがとう。



愛してるよ、



少しお洒落したのは彼に会うから。いつものベンチの下。少し見える横になってる壱。もしかしてと思う。除きこんでああ、って。あのときのレオだってボーッと考えた。顔を這うアリを見て、あっ死んでるってそんだけ。お父さんに連絡しなきゃで電話をかける。仕事中のお父さんが出る。どうした?に口だけぱくぱく。声出ない。名前を呼ばれてやっと声が出た瞬間身体全体が震えて立てなくなった。今から行くからってお父さんの落ち着いた声に電話が切れる。しゃがんだと同時に目の前に見える壱の死に顔。待ち合わせしてる。彼に電話しなきゃ。でも色んなものがフラッシュバックして通話押したかも覚えてないけど手が震えて何度も何度も携帯が落ちる。声聞こえた気がしたけどもう携帯が拾えない。息できない苦しい。立てなくて這いずって車まで行って袋を取ってきて呼吸する。とりあえずベンチの下から引っ張り出さなきゃ。壱の名前を何度も叫んだ。ジョンの重さを思い出した。重い、重い重い重い重い。触れる。固い。冷たい。あのときのジョンだ。レオだ。ああジョンが、レオが、壱を連れてっちゃう。またあたしだけが置いてかれる。返して返して返して返して。連れてかないで。ガッて肩捕まれる。名前呼ばれる。彼がぎゅってしてくれる。立たせてくれてベンチに座らせてくれた。今朝「今日壱撫でてくれる?」「いいよ」って約束してくれて一旦帰った。約束した生きてる壱じゃないのに、動かない壱を撫でてくれた。お父さんが来てくれて壱を引っ張りだしてくれた。しっかりしなきゃって涙を止めた。もうこんなこともできるようになっちゃったよ。ガタつく手で首輪を外してキレイにブラシした。



そのあとは彼がずっと一緒にいてくれた。あたしが行きたい言ったらーめんとこ食べ連れて行ってくれて、そのあとムースのアイス食べたくてわがままゆってわざわざセブンまでアイスも買いに連れて行ってくれた。本当は母の日のプレゼント買おうってゆってたのに、お店閉まっちゃって行けなかったのに怒られなかった。せっかくのお休み台無しにしちゃったのにいいよって何回も言ってくれた。帰り際、今までのもの吐き出してみっともないとこいっぱい見せたのに一緒に泣いてくれた。



帰ったら壱が氷や保冷剤でぐるぐるになってた。顔を見る。綺麗だ。冷静になった今だからわかるけど、ジョンみたいに血だらけじゃない。レオみたいに泣いてない。ああ、綺麗だ。初めて大事なもんの死に顔が綺麗だと思った。ひいばあは真っ白だった。壱はそのまんまのいつもの眠ってる壱だった。


家では母が珍しく下にまだ居て食器を洗っていた。父のカメラの中に昨日散歩した写真がいっぱい残ってた。それ見てお母さんが泣いてた。お父さんの目の下に隈が出来てることに気がついた。姉ちゃんは連絡がとれなかった。次の日帰ってくるはずだった姉ちゃん。誕生日の姉ちゃん。


身体の中から壊れていく。すい液が内臓を溶かしていく。肝臓は機能せず、タンパク質は分解されない。食べ物もまともに食べれなくなって4ヶ月。本当によく頑張って生きてくれた。毎日注射に通って薬を飲んで、そのくせ栄養がとれないから身体はとってもだるくって。いっぱいいっぱい苦しかったと思う。それでも、壱は一生懸命生きてくれた。お帰りなさいって言ってくれた。


今度はあたしがいってらっしゃいを言う番。


家族の絆を再確認して、友達のあったかさに救われて彼氏の大事さが増した。全部壱があたしにくれたもの。壱があたしにくれた時間。

でも、壱はいないのに、お腹はすくし眠くなる。ああ、なんであたしだけ生きてるのかなって。

大事なものいっぱいあるけど、あたしだったらよかったのに、

って思う。


からっぽのまんまの小屋と繋がれてない鎖見るたんび現実に引き戻される。もういない。

大事なもんはいっつもあたしの前でいなくなる。いつもいつもあたししか見てない。あたししかいない。ジョンはぐちゃぐちゃになっちゃうしレオの呼吸が止まるのは一瞬だった。大好きな曾祖母の亡くなった電話を受けたのもあたしだった。

色々重なってもう、夏も半分。


まだこれから色々あるわけで。今も直面しきれない問題抱えて頭どうにかなりそう。

またわたしはいらなくなるのか。

08/25 17:28
(0)


・・・・


-エムブロ-