辞めてやる辞めてやる辞めてやる辞めてやる
入社してから早三年
気づけばあっという間だ。
時給は入社してから変わらずで、
毎日同じ仕事にうんざりしてた。
最近までは難しい大変な仕事を任されてたが、上司からはまた退屈な仕事に変えられた。
多分、私が結果を出せてないのも問題だったと思うが今考えてみれば大変だったぶん やり甲斐があった。
小中高と目立たない人間で今の会社を選んだ理由は近いのとハローワークで紹介されたからと言う理由だ。
そんな向上心の欠片も無いような私では
仕事も満足に出来ないのか?と自信に自問自答してみたが元が豆腐メンタルのもあってその問いに答えられなかった。
そんな豆腐メンタルな私が怒り心頭な理由は同僚からの陰口や嫌味
どこの会社に行ったって嫌味や人間関係のこじれなんて沢山あるが気にしないでおけば済むものだが…
私はそりゃ、もちろん皮肉たっぷり嫌味言う同僚に怒りの矛先を向けたかったが
一番はらわた煮え繰り返るのはそんな同僚に嫌味の一つも言い返せない自分だ。
昔から本当に気が弱かった
大人になれば少しはマシになると思ってたが人間変わろうと努力しなければそのままなんだな
本当に悔しくて辛くて情けなくてでトイレに篭り1人泣いた…
そうして、ボロボロになった私はようやく定時を迎え抜け殻のまま帰路に着いた
車に乗るとまた、あの悔しい思いが蘇り
泣きながら運転した
と、そこでスーパーの隣にあった今川焼きの屋台に目が止まった。
昔、よく母から仕事帰りのお土産に今川焼きをもらったのを思いだした。
車を停め、ふらっとそこの屋台に行った
いらっしゃいませ!
20代後半ぐらいのお兄さんが景気が良い声とは裏腹に私の泣きっ面に驚いてる様子だった。
私は 今川焼きのイモ餡一つ
それしか、言わずにいた。
屋台のお兄さんは動揺を紛らすかの様に手早く商品を袋に詰めた
私はお金を払って立ち去ろうとした時に
待って!待って下さい!
後ろから屋台の人が追いかけてきた
スミマセン。お客様に渡したのは中身が
クリームでしてこちらがイモ餡になります。間違えたのでこちらをお渡しします
と言って屋台のお兄さんがまた今川焼きを渡した
私はお金を払った方の今川焼きを返そうとしたが、そのお兄さんが
あ、それは間違えたので、そちらはサービスしておきます!
と言い結局、私の手元には今川焼きが合計2つとなった。
お兄さんはそそくさと屋台に戻り私はまた車に乗り家へ走らせた
渋滞に巻き込まれ手持ち無沙汰となった
私は何故か今川焼きが気になり2つとも半分に割ってみた。
そしたら何と中身が同じイモ餡ではないか…
あのお兄さんは私に気を使いサービスしてくれた…それかまた、私の酷い顔に驚きふためきテンパって商品の中身を勘違いしたかのどちらかだ…
それでも私の手元には半分に割って四つになった今川焼きがある。
何故かその光景が可笑しくなり
フフッと口元で笑った。
今日は散々な1日だったけど他人の不器用な温かみに触れた私は明日もまた頑張れそうだ…
渋滞から解放された私は口元に笑みを含めながらまた、車を走らせた…。