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第七回 ボイドラ文芸部。原稿。



第七回『梅雨前線』




衣「あ、雨だ」

美「ほんとだ、雨だねぇ……」

壬「うん、雨ですねぇ……」

風「雨だなぁ……」

美「いよいよ本格的に梅雨の時期だね」

壬「そうですねぇ…ところで、大丈夫でしょうか?」

衣「何がだい?」

壬「和室の畳……この雨でカビたりしないかなぁ?」

風「大丈夫だろ、それで毎年やってるんだろうし」

壬「そうでしょうけど、この間使ってから和室の窓開けっ放しですよ」

美「え……」

壬「たぶんこのままじゃ雨が吹き込んでじっとりカビだらけになっちゃうんじゃないでしょうか?」

美「あのー智ちゃん、どうして窓開いてるって教えてくれなかったの?」

壬「気付いたんですけど、風ちゃんすぐに鍵掛けちゃったし、換気のためにわざと開けてるのかなーと思ったんですよ」

美「……あそこって私たちくらいしか使わないから見回りも滅多に来ないし」

風「しかも開けてた窓は山側……風向きも最悪」

衣「それに確か、僕の記憶だとあそこの窓の位置は外からは見えなかったんじゃないかな。おやおや、なんだか大問題になってきたね。ちなみに聞くけど、その日から今日で何日くらい経ってるんだい?」

壬「うーん……二週間くらい経つんじゃないかなぁ?」

風「じゃあ今頃は……」

衣「ちょっと可哀想な事になる寸前、もしくはもう手遅れかもね」

壬「どうします?閉めに行きましょうか?」

美「……週明けの明日じゃ流石に手遅れかな?」

衣「何とも言えないけど、危ない状態にはかわりないでしょうね」

風「久々の休みだからゆっくりしたいと思ってたんだけど、行かなきゃならん…か」

美「ねえ、えっちゃん。無理を承知で聞くけど、畳のカビとか湿気を瞬時に除く商品とかない……よね、流石に」

衣「ありますよ!」

風「え、マジで!?」

衣「最近開発したばかりの特殊な除湿機があってね、まだ発売前なんだけど」

美「お願いえっちゃん!それ借りる事ってできない?この通り!」

衣「まだ発売前の試作品なんですけど……」

風「そこをなんとか、文芸部に免じて!…やっぱダメか?」

衣「……じゃあ製品のモニターって事なら特別に許可するよ」

美「本当!?ありがとうえっちゃん!」

衣「いえいえ、文芸部と会社のためですから」

壬「良かった、これでなんとか済みそうですね!」

風「よし、じゃあ全ては明日だ!だから今日は休もうぜ。雨ってなんか、気分までしっとりしちまうからな」

美「明日にはこの雨もやめばいいね」

衣「そうですね」

壬「あーした天気になーあれっ♪」

















────────────

今回の原稿はかじこちゃん作です。
ご苦労様。

第6回ボイドラ文芸部。原稿

ボイドラ文芸部。第6回『悪魔が笑う日』




美「あ、おはようふぅちゃん。朝からランニング?」

風「まぁな。実家にいるからって怠けると体力落ちんだろ。お前は朝から階段下の掃除かよ、熱心だな」

美「父上に叩き起こされてね。庭掃除終わらせたら今度は階段下って言われちゃって。いつもなら父上がやるんだけど、今日は厄日だとかなんとかで」

風「奇遇だな、うちの親父も似たようなこと言ってたぜ」

美「じゃあ本当に何かあったり」

壬「あ、先輩!ふぅちゃん!」

美「…したね。私らも厄日じゃん」

衣「おはよう風、先輩。何が厄日なんだって?」

風「月並、お前もか!この辺り歩いてるなんざ珍しい」

衣「僕だって散歩くらいするさ。壬智と─…瓦木さんに誘われてね」

風「瓦木さんて、親父達と知り合いの史高写真部OB?」

瓦「わかりやすい解説をありがとう、夕凪くんの娘さん」

風「どわっ!いつからそこに!

美「さっきからいたみたいだよ。おはようございます瓦木さん。父上なら今日は家から出ないと言い張って引きこもってます。夕凪さんも同様です」

瓦「え、そうなのかい?残念だな、せっかく久しぶりに写真を撮ろうかとおもったのに」

壬「わざわざ北海道から来たのに、残念でしたねー」

衣「でも風と先輩のお父様はすごいね。まさか瓦木さんがこっちに着いただけで引きこもるなんて。レーダーでも付いてるんじゃない?」

瓦「僕には夕凪くんと不知火くんのレーダーが付いてるけどね」

風「なっ…!」

衣「それは素晴らしいですね!是非その話を詳しく聞かせていただきたい!」

美「駄目だよえっちゃん!そんなレーダーの情報聞き出して発明品に使おうなんて!」

壬「えっちゃんまだ何も言ってないのに先輩にはわかるんですねー、以心伝心?」

美「断じて違うよ」

瓦「んー…にしても、二人が出てこないとなると、無駄足だったかな。やっと休みがとれたから帰って来たのに」

壬「あぁそれなら、」

壬&衣『その娘さん達を撮ればいいですよ★』

風「待てコラ!!」

衣「せっかく帰って来たんですからね。僕も全力で支援します、うちのスタジオ使ってくれて構いませんよ」

瓦「本当かい衣那ちゃん!それはありがたいな。壬智も手伝ってくれるね?」

壬「勿論そのつもりですよ!前より腕に自信もつきましたし♪」

瓦「それは楽しみだな、是非その腕を見せてもらうよ」

美「…あ、私この後本堂の掃除を言いつけられて」

瓦「行こうか不知火くんの娘さん★」

風「てめぇ部員見捨てて逃げる気か」

美「ま、まさか。じゃあふぅちゃん、ランニングついでに」

風「おう。…逃げるが勝ちだ!」

瓦「あっ!二人を捕まえて!」

壬&衣『了解です♪』

美&風『悪魔だ!』




各自練習お願いします。


諦めた方程式

物心がついた時から、ソレは見えていた。在るのが普通だと思っていた。
のに、それは普通ではなかったことに気づいたのは、小学生になってからか。
先生にも、同級生にも気味悪がられ、ソレは普通見えないモノだと気づいた。

「美紗、」

どうやら自分の父もソレが見える体質らしく、それは特殊な血筋故らしい。よく理解はしていないが。

「何かみえるか」
「…沢山、人が」
「それは人ではない」

確かに人とは少し違うけれど。それが人に見えるのは、きっと人を知らないからか。冷たい人型、触れられない人型…普通の人と、何が違う。

「私は、異常、ですか…」
「それは違う、特殊なだけだ」
「特殊と異常は同じでは?」
「違う」

強く言い放つ父に、密かに『あぁ、認めたくないだけなんだ』と思ったのは内緒だ。

「周りの者が異常だと言うのは、少しだけ違うからだ。そしてお前がまだ、それらの見分けがつかないため」
「…見分けなんて、」

つかない、と小さく言えば、父はしゃがんで私の手を握って軽く抱きしめてくれた。

「人はあたたかいものだろう?アレは冷たく温度も何も感じない」
「…何が、あたたかいのでしょう。私には、あたたかさを理解できません」

元々人と触れ合った記憶など、ほとんどないわけで。そのあたたかさを理解することなどできない。と、言うか…

「人は、冷たいものです」
「美紗…」

みんな、自分と違う者を否定するじゃないか。冷たいだけじゃないか。あたたかいってなんだ、私にはなんの体温も伝わらない。

「…きっとお前が、人間とアレの違いを理解できれば、変わるのだろうが…」

父がそう呟いた。しかし、理解できる気は、しない。ただ、式のない答えが浮かんだ。



世界は冷たい。
(諦めた方程式)
(式が出たとしてもきっとどこかで間違える)
















────────────


美紗幼少の話です。
多分幼い頃は心が死んだ状態だったんじゃないかな、と。


逆月.

今、覚悟を。

入部当時から聞いてきた、文芸部への悪口や偏見。いい気分はしなかったし、悔しかったし、イライラした。
でも、一番辛かったのはきっと、先輩なんだ。

廊下で先輩を見つけた時、いつも何かしら言われていた。

文芸部なんてサボリ部じゃん。なんもしてねーよな。存在邪魔。楽でいいよな。ただいるだけじゃん。帰宅部っぽい。暇部。いらねー。つーか不知火みたいな奴がいるからあんな部活になるんだろ。

勿論イライラした。だけど先輩は何も言わずにジッとしていて。ただ、手を強く握りしめていた。
多分言い返せないのは『不知火みたいな奴が─…』の言葉のせい。自分に自信を持てないために、本当に自分のせいなのではないか、とか言う考えがぐるぐる回っているんだ。そんなことない、と言ったところで先輩は『ありがとう』とだけ言って信じてはくれないんだろうけど。
…心配だった。そのストレスが重なりすぎたら潰れるんじゃないか、って。
俺や壬智と一緒にいるときも、その言葉は絶えない。

「…先輩」
「気にしないでスルーして。ごめんね」

謝る時点で、既に非は自分にあると認めているようだった。ただ、

『つーか新入部員も適当な奴なんじゃね?』
「、」

俺たちのことを指す言葉が耳に入った瞬間、先輩の表情が一瞬変わる。

スタンッ

いい音を立てて男子生徒の真横の壁にカッターが突き刺さる。投げたのは勿論先輩で、男子生徒は顔を青くして逃げて行く。

「あぁ手が滑った」

カッターを抜いてしまう。笑顔だが明らかにわざと投げた。

「…先輩、大丈夫ですか?」
「私はね、大丈夫なの」

結局それの繰り返し。しかも時々これにプラスして生徒会副会長が悪口を言いに来たり何かしら邪魔して来たり。

そしてついに、ある朝。

「─っ、先輩!」

突然先輩が倒れた。ストレスが限界に達したらしい。上手く受け止めた時感じた重さは、異常に軽くて。
この瞬間、決意した。

─…あまりにも体重が軽くなってしまった彼女のために、自分はやらなきゃいけない。と。

だから今日も俺は親衛隊を前にしている。


「手加減、なしな─…」



















──────


スランプ、ですよね。
まともに文が書けません。
美紗視点以外書きにくいです。

…精進、します。


逆月.

縛られない、故に異常。

物心ついたときから特に何かを感じることはなくて。何をしても怒られない何をしても咎められない。それは浄華家─神社に生まれた珍しく“力”を持って生まれたため。父にも母にも甘やかされ、育って。
しかし今になって、それはいけないのかもしれないと少しだけ思うようになった。小さな頃から少し力を発すれば生きていたモノは血を流して肉塊に変わる。力の制御なんて知らない、むしろそれが悪いことだと理解出来てきたのは最近だ。理解したからと言ってもこの力を制御出来るわけじゃないし、暴走してしまうのも仕方ないと思っていた。
─…怒る方が悪い。
それだけ。怒られたりしない限り暴走なんてしない。なら怒る方が悪い。
なのに遠い親戚の寺の娘はそれを理解しながらも怒る。馬鹿だな、と思った。なのに、何度も何度も同じことを繰り返して、入退院を繰り返す。そんな彼女を見ていると、少しの罪悪感が胸に宿った。だけどやっぱり怒られるの嫌いだから。ただ彼女と仲良くなりたいだけだったのに。それを多分承知なんだ、だけどこのままじゃいけないと思うから何度も怒る。私はそれに応えない。

「瑠璃、怒る人嫌ぁい…。瑠璃を怒る人なんて、みぃんな死んじゃえばいいんだよ」
「またですか浄華さん。あなたは一体いつまでそんな子供のままでいるんですか」
「子供とか大人とか、そんなのに縛られて生きてくのは嫌だもん」

彼女はまた注意を促す。腕からの出血をまるで気にせずに。

「美紗ちゃんはどうして普通でいようとするの?どうして力を制御するの?瑠璃、わかぁんなぁい」
「…さぁ。気休めですよ」
「あれぇ?自分が異常なのは認めるんだぁ?変な美紗ちゃん」

自分達は“普通”と言う理には縛られない、つまり普通とはかけ離れている。なのにそれに近づこうとする。無駄なのに、無意味なのに。

「いつまでも甘ったれないで下さいよ。ワガママ娘が」

そうやって普通ぶって、怒って…気に食わない。私と変わらないくせに。私と同じくせに。なんで怒るの、なんで。

「瑠璃の邪魔を…しないでっ!」
「、っあ…。こ、の」

あぁ足折れたかな?馬鹿みたい、地面に這いつくばって。みっともない。

「バイバイ、」
「誰がバイバイなんかするか!」
「えっ」

ズシリ、と鳩尾に圧迫感。額に何かが触れた感覚。
意識が遠ざかる中、力が額の何か─札に吸い取られるのを感じた。そして、彼女の名前を叫ぶ聞き覚えのある声。


─…瑠璃が、悪いみたいに、言わないで…
(美紗ちゃんだって、ただの異常者のくせに)
















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意味不←


逆月.
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