雨空の下。誰も彼もが君を見ては。


『移り気な花だ』と指差すけれど。


四季の中でも一層暗がりな空の下。


君を眸に映すのはひとつの幸福だ。


空の恵みを受けて尚も鮮やかに。


雨に彩りを添えて咲き誇る君を。


傘の下から垣間見るその一時を。


まだ少し待ち遠しい蒼穹と共に。


ひとつひとつ名残惜しみながら。


静かに廻り往く季節の秒読みを。


その一時すらも絶え間無く綻ぶ。


彩りの移り行くその艶やかな姿を。


雨粒の織り成す露霧のあわいから。


そっと。記憶の色に留めておこう。







写メ図解:紫陽花群集。白から水色へ。
(※祖母宅にて。未々こちらは見頃です)



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