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:†劇場地下的創作文的作詩†:




*ハロウィン企画の八作目になります。
*今回は純愛惨劇と救済措置のチーズ。
*劇場裏に潜む怪人と音楽の天使の譚。
*涙の温度を知った怪人は人間になる。



【:†オペラ座のメメント*モリ†:】



『続きましては純愛と救済の譚です』
『血塗られた舞台の惨劇を隠し味に』

『芸術は永きに渡って多岐に栄えて』
『同時に信仰の象徴でもありました』

『そんな平等とは程遠い時代の片隅』
『怪人は音楽の天使と出会いました』





『ある時代の芸術の街にて始まる物語』
『そこには奇っ怪な都市伝説が有った』

『街の劇場の下には地下墓地が存在し』
『其所には仮面の怪人が住んでいると』

『その怪人に見初められて仕舞ったら』
『地獄へ連れて行かれて仕舞うのだと』



おぞましきは仮面の奥底
隠されている場所は奈落

見えない場所から這い上がる
腐臭と欲望の暗く黒い魔の手

楽園とは程遠い場所に在る
この罪深き私の前に現れた

歌声の翼を持った天使に
想いを秘めた音楽を授け

過ぎた自尊心と猜疑心は
歪み汚れた芽を吹かせる

十四の喜悲劇が見下ろす客席で
淡い恋は紅蓮の炎へ燃え上がる

(君と同じ場所に逝けるのなら)
(どんな業火ですらも背負おう)

世にも陰惨な舞台の幕は上がった
さぁ、旋律への生け贄を捧げよう

失墜のシャンデリアは砕けて崩れ
喪失と狂気の歯車は黒い死を抱く

突き動かされる紅い衝動から
もたらされるは破壊か救済か

光と闇の世界から互いに対峙する
仮面の裏側から見つめる孤独な魂

拒絶と憎悪を宿す心に走る亀裂
闇は唯一の愛によって氷解した

月日は流れ音楽の天使は去り
劇場裏の怪人も舞台を降りた

音楽の天使は解き放たれた
誰の手も届かない天上へと

(私はそれを見送ろう奈落の深淵から)
(私の為だけに落とされた血潮の化身)

(清らかな涙の一滴を抱き締めながら)
(最期に覚えた人の喜びを感じながら)



『誰からも愛されて来なかった少年は』
『人間の道を外れ仮面の怪人となった』

『魂に恨みを宿し天使と出会った最中』
『心に灯った想いに翻弄されながらも』

『唯一の愛をその身に享受した怪人は』
『最期に天使へ薔薇の花を贈り消えた』




『他人との差異が大きければ大きい程』
『共感が持て無いと嫌悪を抱きますが』

『共通の繋がりが一つでも見付かれば』
『それを介して縁を深めるのは必然で』

『どんな時代に生まれ育まれようとも』
『誰かを尊び慈しむ心は平等なのです』





話題:☆ハロウィーン★2013☆


はい。皆様こんにちは♪
休日出勤は眠いです燈乃さんです(凹)

今回はハロウィン企画の八幕目(或いはチーズ)です。コースに沿うならばフロマージュですね。純愛の黴を纏い、激情の燻製を施し、惨劇が隠し味になっています。
複雑な味わいをお楽しみ下さいませ。

そんな訳で。今回の題材は『救済』です。『救済』の形は様々なものが有ると考えていますが、生きる事が『自身への救済』であるならば、赦す・赦される事は『他人(へ)からの救済』であると思われます。

今回の作詩は、言わずもながな『オペラ座の怪人』をイメージして綴ってみました。彼の仮面の怪人(ファントム)は、初めてのクリスティーヌへの恋心から色んな思惑を画策したり企てますが、終盤でクリスティーヌからのキスにより孤独な怪人から人間へと戻ります。この場面は、怪人とクリスティーヌの二人にとって、とても特別な『救済』だったのでは無いでしょうか。

お互いが各々に孤独を抱えながら、お互いにとっての『音楽の天使』だったのではと。最後にクリスティーヌはラウルと結ばれ、クリスティーヌ亡き後の墓石に薔薇の花束を添えられていると言う終わり方が、印象深いなと。ある意味あの二人は一種のソウルメイトだったのかなぁと。色々と考えさせられますね。作品の背景で曰く付きの話が色々と残っているのも有名なお話。

ちなみに。『オペラ座の怪人』との出会いは『金田一少年の事件簿』(初期)から。
『金田一少年』シリーズは小学生の頃からお世話になってますが、個人的に『放課後の魔術師』がトラウマです。アニメのOPで暗がりから振り返るシーンが滅茶苦茶怖かったのを覚えてます。『蝋人形館殺人事件』のアイアンメイデンとか。遺体損害系の殺人方法が多かったですね♪(←ヲイ)



ではでは、今回はこの辺で☆



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