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:†創造的怪談・其の肆夜†:



*都市伝説創造怪談シリーズ第肆譚。
*見てはいけない虚像と鏡像のお噺。
*怖いもの見たさへ死に目を見せる。



―…昔々、『合わせ鏡』で向こうの世界に連れて行かれた少女がいたらしい。



【:†合わせ鏡の怪・鏡子さん:†】



(そんなに知りたいのならば)
(死に目に合わせてあげよう)


丑三つ時の暗い宵闇の底で
相似的で無機質な扉が開く

向かい合った鏡面の果てに
垣間見えるのは誰が異形か

後ろの正面から手を伸ばす
その白い影は思念か怨念か

鏡よ鏡、此岸から彼岸へと
映したまえや虚像と鏡像を

其処に浮かび上がるのは
未来の自身か異界の悪か

はたまた死期を向かえる寸前の
無惨な姿形を刻み焼き付けるか

それを知る術は幾多在れど
彼の異形に遭える術は唯一

数えて四十二枚目の鏡像の中
その怪奇は息を潜み時を待つ

誰かが己の代わりにと
此方に来ないものかと

鏡よ鏡、俗世から幽世へと
映したまえや呪詛と悪意を

死に目の四十二番目に住まう
苦痛にまみれし異形の思念を

暗く青白く映る鏡像の中で
ほくそ笑む鏡面界の住人の

その姿に見初められた者は
夜明けと朝露と共に消える

鏡面に映る自身の姿こそが
死に目だと知る余地も無く

其処に映った異形の姿こそが
真の禁忌だと知ることも無く


(合わせ鏡の四十二番目の鏡像)
(手招きしている鏡面の向こう)

(かつて閉じ込められた少女が)
(異形となって待ち続けている)

(此岸と彼岸の曖昧な狭間の中で)
(俗世と幽世の混沌な境界の中で)


『次の四十二番目を、次の死に目を』

『さぁ、次に見えるのは誰のだろう』





はい。皆様こんにちは〜。
都市伝説創造怪談シリーズ第肆譚です。
『合わせ鏡の怪・鏡子(キョウコ)さん』は、(見たまんまですが)『合わせ鏡』の中に住んでいる異形です。『学校の怪談』や実際に学校の七不思議に有りそうな雰囲気をイメージして綴ってみました。

元々鏡は、神様と交信する為に使われていた道具(神器)の一つ。異界と交信すると言うことは、降霊術にも通じるものがあります。怪奇現象や怪談には欠かせない、登場頻度の高いキーアイテムですよね。

そんな、一つだけでも異界の扉へと変貌する可能性を持つ鏡が合わさったら、『合わせ鏡』になってしまったらと考えると…何も起こらないはずがありません(笑)

ちなみに、私の知っている『合わせ鏡』に纏わる怪談は、有る特定の時間に合わせ鏡をすると、『本来だったら見えてはいけないモノが見える』と言うものが多いです。『自分の未来』。『何か得体の知れないモノ(鏡の悪魔)』。『自分の結婚相手』等々(←『地獄先生ぬ〜べ〜』抜粋)。

有名なのが、『鏡像の四十二番目に自分の最期(死に目)が映る』または『四十二番目に映った像を見ると死ぬ』と言うもので、忌み数に当たる虚像を見ると良くないことが起こると言われているものです。
(昔何かの番組で実際に検証したことがありましたが、その時は四十二の他にも忌み数が何個かあった気がします)

そして、創造怪談の鏡子さんは、その四十二番目の鏡像の中に住んでいます。
設定として…生前の鏡子さんは、肝試しで『合わせ鏡』をしていて、そこで実際に出て来た『ナニか』によって、鏡の中に閉じ込められてしまった少女です。

生きながらにして異界に行ってしまったので自分の死を自覚出来ず(寧ろ理解すらも否定している)、尚且つ自分の死に目が見られなかったので、自分の死を他人の死で代用することで、自分の存在意義を保っている(→自分が死んだのは相手に死に目を見せる為)と言う中々に怖い怨霊です。

召喚方法は文字通り『合わせ鏡』です。
合わせ鏡のやり方はご存じの通り、姿見サイズの鏡を二枚用意し(無ければ上半身サイズも可)、丑三つ時に『合わせ鏡』をして、映った鏡像を四十二まで数えると遭えます。ただ、本来なら鏡像は枚数を追うごとにピントがぼやけて来るので、本当に正確に数えられるか分かりませんが…もしも数えることが出来たのなら、それはきっと鏡子さんに歓迎されているのかも知れません。何が出てくるかは分かりませんので、対応は自己責任でお願いします(お辞儀)

余談として…某番組の怪奇映像で三面鏡の話が有ったんですが…確かに、合わせ鏡って下手すると三面鏡とかでも出来そうだなぁとか、新世界開拓とか…うわぁ想像したら色々と笑えないです((●言●))


ではでは、今回はこの辺で☆


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