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彼女が娘に七夕の話をしている。 織り姫と彦星は離れ離れになってしまい1年に一回しか会えないのよ…と。 離れ離れ… あの苦しかった旅を思い出す。 目の前で彼女が連れ去られた… もう二度と会えないかもしれないと思った… 過去の事なのに…あの時の焦燥感、絶望がよみがえる… 気付くと存在を確かめるかのように彼女を背後から抱きしめていた。 「お父さん?」 突然の父親の行動にびっくりしている娘の声が聞こえた。 娘は父親と、父親に抱きしめられたままの母親を交互に見ている。 彼女は…事情を察したのか… 彼女の体に回された腕にそっと手をそえると…ささやくように言った。 「大丈夫よ? 私はここにいるわ…」 再会したあの時に誓った想いに今も変わりはない… “もう二度と君を離さない…” ------------------------------------------------ 2013年の古代さんの誕生日記念に書いたもの… |