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『 決意 』 スミレ「本当に…良いのかい?」 桜乃「そんなに心配した顔をなさらないでお祖母様。私は…平気です」 スミレ「でもお前には確か心に決めた…」 言いかけた老王の言葉は孫娘のゆっくりと首を降る仕種に遮られる。 桜乃「構わないのです。私はあの方の元へ参ります」 頼り無気だがそれでもはっきりと宣言する少女の姿を老王は直視する事が出来なかった。視線を窓の外へと移す。 今はまだ何の予兆も無い平穏なこの景色。だか恐らく後数カ月で…。 こんな…こんな肝心な時に役に立たない力など最初から無ければ良かったのに。 王として…祖母として…自分の選択は本当に正しかったのか…? 今ここでもっとも愛する者を不幸にしてまで貫かなくてはいけない事なのだろうか? 疑問は疑問を呼びなにが最善なのか既に判らない。ただ判っていたのは自分の考えが甘かった…と言う事だ。 まさかあやつがあんな条件を出すとは…な… 確かにそんなに見知った仲では無い。だが人の弱味に付け込む…そんな人間には思えなかった。 選択肢は2つ合った。 選んでしまったのは最悪の方法だったのだろうか? これまでも幾度と無くくり返された疑問。答えなどでるはずが無かった。 そんな老王の心を知ってか孫娘は迷いの無い瞳で祖母を見つめる。本当に辛いのは自分の方だと言うのに少女は穏やかに微笑んでいた。 桜乃「お祖母様。これが最善の方法なのです。」 以前に書いた『 温もり 』の前の話。 昔のファイルをゴソゴソ見てたら出てきた(笑)やはり何もかも微妙(笑) |