冲方丁


再読。


三か月連続刊行と帯に書いてあったのに、二巻目が出るまでに五年かかったという、この、この…!

『オイレンシュピーゲル』『スプライトシュピーゲル』が合流し、シリーズが一本化。ストーリーは当然地続きです。ここから読み始める人がいるかはわかりませんが。
普通に五巻、六巻と刊行されていたら五巻は夕霧の単独表紙だったと思うのでそれが見れなかったのは残念です。

冒頭から不穏な独白。いつも以上の情報量と登場人物の多さに何度も巻頭の登場人物紹介を見比べました。
初読時は就活中だったのですが、展開の複雑さと重たさに精神的に参ってしまったこともあります。今思い出しました。
でもこの情報量の多さが癖になってきました。中毒症状とでも言いましょうか。1ページまるごと文字で埋まっていて挿絵も無いのに内容がすらすら頭に入って来て、クランチ文体の真骨頂を感じました。今回、自分でも驚くくらいの勢いで読み進めていて驚きました。

この巻だけではMSS側の視点が不明ですが、それは次巻で語られるのを楽しみにしています。