沼駿


最終巻です。
一巻を踏襲する表紙の構図、しかしあの頃よりも格段に賑やかになりました。

「いい人だね」から始まって「悪い女だな」で終わるお話。


ううん…、まだ上手く呑み込めていないです。最終回が唐突に数年後に飛んだように、取って付けたように思えてしまって。

ネビロスさんと左門くんの関係性の描写やその決着、アンリさんと左門くんの関係の掘り下げなんかは良かったのですが。あと九頭竜くんとの友情の発展も。
天使ヶ原さんとの関係性がよくわからないまま終わったなと。アンリさんのいつか抱いた「こいつら気持ち悪っ」という、なんとも言語に変換しにくいものから変化したようには見えなくて、でもそれで良かったのかもしれないとかなんとか。上手くまとまりません。
とにかく、天使ヶ原さんがどんな人生を送ろうと最期には左門くんが現れて一緒に地獄へ行くのが確定ということで良いんですよね。ここを読み違えていたら恥ずかしいですね。

中盤以降から好みではない話が増え、それとは別にネタ切れやマンネリ化や中弛みを感じずにはいられませんでしたが、これは自分の趣味嗜好だからどうしようもないです。でも私が惹かれたのは間違いなく一巻のあの雰囲気でした。
毎週感想文を漁っていると、男女で感想が割れていたのが面白かったです。自分のマイノリティさが浮き彫りになってのたうち回った日もありましたが。

思うところも結構ありましたが、何だかんだで楽しんだのもまた事実。ロジックで作られた作品は正直読んでいて気持ちが良かったです。
主人公のキャラ特性的に少年漫画として連載するにはかなりのバランス感覚が必要だったのではないかと思いました。