途中ではある

シャニマス六百八十五日目。

ちょこで感謝祭の途中。
ミッションを埋めたから今日はもうこれで終わりでもいいですかね…。

一次創作小説「夜の花園」E

花弁が舞う。
花の色は白。
小さな花がいくつも夜風に流れていく。
さらさらと夏の夜を渡る風はどこまでも涼しく、体の火照りが冷めていくようだ。
足元、壁、祭壇。視界の限り、どこまでも白い花が咲いている。月明りに照らされ、花そのものが優しく光っているように見える。控えめに漂うのは、花の芳香だろうか。
花びらは丸く、しっとりとしている。
綺麗だと思った。
あまりに現実感のない光景に、きっと自分は死んだのだと思った。

「死後の国って本当にあるんだ……」

思わず呟く。
あの水黽に殺されたにしては体に刺突された穴でも開いているかと思ったが、それはない。戦い続けてボロボロになってはいるが、致命傷はどこにもない。自分の死体が溶解液で溶かされていたら嫌だなあとも思う。

「死後って痛みとか無いんだな」

「寝ぼけてんじゃないわよ」

呆れ声に振り向けば、いつの間にかテロルが傍に来ていた。

「いい? ここはさっきと同じ遺跡の中。この花は……ミーナの力よ」

「ミーナ!? 無事なの!? 何がどうなって……」

テロルが黙って指を差す。導かれるように、ケトルはそれを見た。

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